現代思想2025年3月号 特集=統治vsアナーキー

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現代思想2025年3月号 特集=統治vsアナーキー

定価1,980円(本体1,800円)

発売日2025年2月27日

ISBN978-4-7917-1478-0

目指すはより良き統治か、その外部か
政治をめぐる思考に潜在する「統治」の構想と「非統治」の探求という二つのモチーフ。両者の潮流はしかし深い分断のうちで、ともすれば互いに没交渉・無関心できた面も否めないのではないか。本特集では統治とアナーキーのありうべき緊張関係を保持しつつ、その両面を見据えていずれにも閉じることのない議論のフィールドを拓くべく、多様な視点から検討する。

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[目次]

 

特集*統治vsアナーキー

 

【討議Ⅰ】
歴史・抵抗・教育――社会と法をめぐる対話 / 坂本尚志+野崎亜紀子

【POLITICS】
アナーキー、統治、民主主義 / 森政稔
政治学とアナキズム / 羅芝賢
他者から逃れるための自由か、他者とともにあるための自由か――ロールズとノージックの対立を再考する / 玉手慎太郎

【HISTORY】
反暴政の構造転換――暴君はアナーキーの「一歩手前」 / 古田拓也
貨幣をめぐる統治を考える――クリプト・コロニアリズムと金属主義の亡霊 / 中山智香子
避難・船上生活・非統治――中国の湖上世界から国家の統治を考える / 太田出

【討議Ⅱ】
政治学者が読むグレーバー / 宇野重規+上村剛+野口雅弘+重田園江(司会)+網谷壮介(司会)

【SOCIETY】
統治とケア――サロゲート・ヒューマニティと死倫理学をめぐる覚書 / 清水知子
モノの統治性――ポストヒューマンとフーコー / 川村覚文
〈羊たち〉の沈黙――安全メカニズムによる統治とそこから零れ落ちた存在 / 中村健太

【ETHICS】
統治群衆とアナキズム群衆――二一世紀の「群衆心理学」のために / 山本圭
被統治者の倫理――スピノザとアディアフォラ / 佐々木晃也
アナキスト倫理学――変容と組織化のために / 渡辺一樹

【PHILOSOPHY】
アガンベンとアナーキックなリズム / 高桑和巳
喜劇としてのアナキズム――アナキスト脱構築に向けて / 伊藤潤一郎
アナーキー 統治なき統治の理想を描く / 橋本努


【追悼●川田順造】
最後の文化人、川田順造さんを悼む / 山極寿一
レヴィ=ストロースへの眼差し / 出口顯

【連載●社会は生きている●第三一回】
社会と自我7――自我の起源──言語と再帰性 / 山下祐介
【連載●京都〈移民〉紀行●第五回】
フランス人と京都(二) / 森千香子
【連載●現代日本哲学史試論●第一五回】
交換様式Dへ向かう脱近代的思考――柄谷行人の『世界史の構造』(二) / 山口尚


【研究手帖】
「サイズ可変」から見えてくるミセノマのアート / 有馬恵子