ユリイカ2025年1月臨時増刊号 総特集=福田和也

-1960-2024-

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ユリイカ2025年1月臨時増刊号 総特集=福田和也

定価3,080円(本体2,800円)

発売日2024年12月27日

ISBN978-4-7917-0457-6

追悼
ひとりの批評家が亡くなった、名前も仕事もいずれ忘れられるだろう、残るのは見出された他者である、自分ではないものの圧倒的な輪郭を信じ、饗応した、価値を与えるのではなく、教わった、仕事を畏怖した、幾度も出会いなおし、ひとつところを生きる人々を愛した、福田和也の人生はその著作のなかに収められるのではない、残された人々が今日もつづけていくのだ。

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総特集*福田和也――1960–2024

 

❖採録
弔辞 / 重松清

❖学窓から
福田和也のこと / 古屋健三
わが友、福田君 / 青井浩
福田和也君のこと / 礒崎純一
同級生・福田和也 / 児島やよい
最後のメール――福田和也の想い出に / 池上晴之
福田君に / 斎藤慶典
追想・福田和也 / 平田一哉
『奇妙な廃墟』と――シリーズ「1945:もうひとつのフランス」周辺 / 佐々木秀一

❖福田和也の時代
東田端の福田和也 / 伊藤彰彦
「評伝作家」福田和也が描こうとした「昭和」 / 平山周吉
福田和也の「駄々」 / 大塚英志
だれでもない者の「空白」――福田和也と小説 / 風元正
福田和也という人――奇妙な廃墟の「中の人」の信仰心 / 酒井信
坊主と栗の樹 / 藤野眞功

❖編集者とともに
福田和也さんをおくる言葉 / 飯窪成幸
ワタシの外道評論家・福田クン / 櫻木徹郎
婆娑羅和也 / 寺田英視
福田和也とKKベストセラーズと私と。そしてカオスの果てへ / 鈴木康成
福田和也さんの事 / 久田将義
「昭和天皇」をめぐる旅 / 渡辺彰子
点描 / 戸井武史
明晰な認識と透徹した詩情 / 渡邉大介

❖座談会
機嫌よく生きる――福田組の愉快な日常 / 中瀬ゆかり・井本麻紀・田中陽子

❖福田和也単行本未収録セレクション
マルセル・ジュアンドーの『占領下の日記』/幽めく形影の彼方に/とんかつ百花繚乱――東京山手線29駅のイチオシ網羅/海ゆかば――プチブル天皇論 / 福田和也

❖甘美な人生
福田さんの思い出 / 町田康
玉手箱から銀色の短冊が無数に / 椹木野衣
さよなら東京 / 豊田道倫
和也と俺の旅のあとさき / 桑嶋維
音楽と写真とエグルストン / ホンマタカシ
あの写真部 / 田中長徳
福田さんとお台場 / 太田英昭
最後の文士 / 南博
「遥か彼方では、未だに人生は甘美でありうるだろうか?」 / 杉山恒太郎
待っててね / 岡田修一郎

❖福田和也と/の批評
福田和也の後で批評を書くことは野蛮である / 中島一夫
福田和也、その作品(ウーヴル)の不在 / 大杉重男
夢のやうに悉く――江藤淳と福田和也:喪失への憧憬 / 山田潤治
風景論としての批評 / 福嶋亮大
使い切る、なにかを / 雑賀恵子
『作家の値うち』から読み始める――福田和也と冷戦後の文学 / 青木耕平

❖修士学位論文
ギュスターヴ・フローベールの『感情教育』について――その小説美学と構成(抜粋) / 福田和也

❖承前・福田和也と/の批評
責務としての放蕩――福田和也の誠実さについて / 田中純
敗者の群像、あるいは敗北の光学――『奇妙な廃墟』(一九八九) / 山田広昭
福田和也と批評のサンボリスム / 梶尾文武
かわるがわるのぞいた穴から――福田和也の「文芸」 / 長濱一眞
福田和也の序詞と詞書 / 串田純一
「アウシュヴィッツは詩である。」――『イデオロギーズ』におけるスピノザの位置 / 石川義正

❖Κ405
プロデューサー福田和也 / 牛久保暖
雑誌の人 / 生田敦
銀座のハイボール / 新庄耕
先生の鞄 / 鈴木涼美
名もなき、私たちの八〇〇字 / 三井果苗
線を引く人 / 河合(未来の油田)

❖果てなき果て
I Shall Be Released――福田和也の音楽 / 石黒隆之
楽屋と舞台と――福田和也について / 和田尚久
福田さんのこと、坪内さんのこと / 橋本倫史
とんかつという思い出について / かつとんたろう
「駄本」に塗れて――二〇〇〇年代初頭の福田和也 / 大澤聡
すべての大事なことは雑誌から教わった――福田和也ゼミと雑誌制作 / 阿部純

❖福田和也を読む
福田和也主要著作解題 / 酒井信
福田和也単著一覧 / 作成=酒井信

 

装幀=水戸部功
表紙・目次・対談扉写真=桑嶋維