ユリイカ2024年10月号 特集=いよわ

-「1000年生きてる」「きゅうくらりん」から「熱異常」、そして「一千光年」先…ボーカロイド文化の臨界点へ-

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ユリイカ2024年10月号 特集=いよわ

定価1,760円(本体1,600円)

発売日2024年9月27日

ISBN978-4-7917-0453-8

ボカロP・いよわが垣間見せる世界
いま再びの最盛期にあるボーカロイドシーンにてひときわ複雑かつポップな音楽性で最先端を切り拓き、インディーミュージックの最深部へと潜り続けるいよわ。歌唱のみを人間ならざる少女が担い、楽曲制作からミュージックビデオの作成に至るまでの全工程をたったひとりで完結させることで造られる美しい箱庭、その過度に破滅的・理想的な風景がわたしたちを誘惑している。近年のボーカロイドシーンの様相を見渡しつつ、いよわ固有の作品世界に迫る特集号。

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特集*いよわ――「1000年生きてる」「きゅうくらりん」から「熱異常」、そして「一千光年」先…ボーカロイド文化の臨界点へ
 

❖インタビュー
止められない時間の感触 / いよわ 聞き手=Flat

❖ポップスの幽谷にて
ありがとう、全てのいよわ氏 / 原口沙輔
大いなるズレ / フロクロ

❖聞き逃されない断絶
DTM観点から「いよわ」を分析する / 横川理彦
いよわと、いよわたちの世界を裂くもの――DTM、グリッチ、インターネット / namahoge

❖対談
彼女の佇む余白 / いよわ×はるまきごはん

❖言祝がれる少女
足立レイと熱異常 / みさいる
腐りかけ、ピンクノイズ、already――いよわについてのダイジェスト / 言稿
物語の断片と、跳梁する言葉の影で――いよわ作品における物語の位相 / 岩倉文也

❖少女の肖像を廻って
潜む声、屍としての少女――『わたしのヘリテージ』の(メタ)フィクションを読む / 河野咲子
どこにクリエイトがあるのか――音楽のようなキャラクターの〈いのち〉(アニマシー) / 松浦優
さようなら、「セカイ」――「バベル」から見える女性の自分語りの不可能性 / 角野桃花

❖イラスト・マンガ
本当に誰を描こうか悩んだよ、いよわガールズサイコウ~ / ぬくぬくにぎりめし
ウンコ人間が一夜を生き延びるための冷たい速度 / ナクヤムパンリエッタ 

❖無限のパズル
ボカロ、暗号、いよわ――考察・歌ってみた・寄り添い / 木澤佐登志
いよわと考察の美学――〈明らかに行方不明なペルソナ〉といよわ化する考察者たち / 難波優輝
レイヤーとキャラクター――いよわのアニメーションについて / 米原将磨

❖アンケート
いよわさんへ / 名取さな・じん・煮ル果実・笹川真生・yuigot・TOOBOE・長瀬有花・しぐれうい・花譜

❖ボーカロイドシーンの現在
多様なボカロ曲――いよわを通して見るシーンのバラエティ / Flat
なぜボカロとヒップホップは交わらないか / つやちゃん
合成音声音楽のオルタナテイブを見つめて / しま
VOCALOIDはじまりの地・ニコニコ動画――一蓮托生に歩んできた一七年間の興隆を紐解く / 曽我美なつめ

❖音との邂逅
いよわさんの胃のヨワさ――ツヨさ、ひとりで部屋で楽器を弾く営みについて / 入江陽
和合と解放のアニミズム / スッパマイクロパンチョップ

❖声の行方
合成音声と「声の民主化」 / ヲノサトル
声という迷宮――人工音声をとおして考える〈声〉の哲学序説 / 佐近田展康
いよわの惑星――合成音声の化石化はいかにして(不)可能となるか / 青島もうじき

❖資料
いよわディスコグラフィ / 栞にフィットする角

❖忘れられぬ人々*36
故旧哀傷・平井啓之 / 中村稔

❖詩
ホラポロ / 齋藤岳深

❖今月の作品
碧はる・河上蒼・佐藤帆菜・岩垣四九 / 選=井坂洋子

❖われ発見せり
世界は広くて、地球は丸いらしい / 胡弓かなた

表紙・目次・扉……北岡誠吾
表紙・扉イラスト……いよわ