現代思想2024年10月号 特集=〈人種〉を考える

-制度的レイシズム・人種資本主義・ホワイトネス…-

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現代思想2024年10月号 特集=〈人種〉を考える

定価1,760円(本体1,600円)

発売日2024年9月27日

ISBN978-4-7917-1471-1

何がわたしたちを分け隔てているのか
ヘイトクライムの横行や排外主義的政策の高まりをうけて、人種主義の問題が改めて切実に語られるいま、われわれは〈人種〉という概念にどう向き合えばよいのか。批判的人種理論や人種資本主義などの議論を踏まえつつ、無視するのでも本質化するのでもないかたちで〈人種〉についてさまざまな視座から考える。

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[目次]

 

特集*〈人種〉を考える――制度的レイシズム・人種資本主義・ホワイトネス…

 

【討議】
シシュポスの岩を押す――〈人種〉の諸相とその理論 / 竹沢泰子+梁英聖

【概念の来歴】
人種の構築――存在の様態と歴史――啓蒙期から第一次世界大戦まで / 李孝徳 
人種概念構築の歴史と生物人類学における頭蓋骨多様性研究の進展 ./ 瀬口典子
人種の後――民族誌、人種、ポスト人種理論 / アヌープ・ナイアック(訳=諸岡友真/解題=新田啓子)
「人種主義」概念は拡大されなければならない――旧優生保護法違憲判決とイタリア南部問題から / 谷本純一
人種資本主義の世界史という射程 / 貴堂嘉之

【この場所から考える】
批判的人種理論の積極的活用――日本法への適用可能性について / 藤井正希
日本のなかの人種概念を探究するために――血統の問題と身体の問題 / 有賀ゆうアニース
日本で人種的マジョリティであること――「日本人性」の批判的現象学の試み / 小手川正二郎
和人の脆弱性について / 東村岳史

【いま何が起こっているのか】
ブラック・ライヴズ・マター運動へのバックラッシュ――二〇二〇年以後のシアトルから / 小山エミ

【システムという問い】
「その他の人種」の歴史と現在――センサスからみるアメリカの「人種」 / 菅(七戸)美弥
二〇世紀初頭アメリカ南部の人種状況と「忖度」する公衆衛生 / 平体由美
アメリカ史のなかの白人性とジェンダー・セクシュアリティ / 兼子歩
旧英領カリブ海地域の「白人」たち / 伊藤みちる
人種差別をリデザインする――ニューヨーク・ハーレムのストリートにおける「人種」概念の観察から/ 中村寛

【絡みあういくつもの線】
伊江島の黒人についてのノート / 榎本空
人種のパフォーマティヴィティ――ネラ・ラーセン『パッシング』を読むジュディス・バトラー / 五十嵐舞
普遍人という夢――人種と人類種の二〇世紀アメリカ / 逆卷しとね


【連載●科学者の散歩道●第一〇六回】
原子爆弾完成後の去就をめぐって――ボーアの「科学者共同体」 / 佐藤文隆

【連載●社会は生きている●第二六回】
社会と自我 2――多細胞生物がつくる種社会 / 山下祐介

【連載●現代日本哲学史試論●第一〇回】
理論を経由し、理論の外へ――鷲田清一と中岡成文、そして村上靖彦 / 山口尚


【研究手帖】
先入観を疑えるか / 髙橋香苗