人間ならざるものと反政治の哲学

浅沼光樹 著

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人間ならざるものと反政治の哲学

定価3,740円(本体3,400円)

発売日2024年10月11日

ISBN978-4-7917-7670-2

哲学はいかにして現実に至るのか
人間ならざるものとは、「いまだ」人間でないもの=自然であり、「もはや」人間でないもの=神々である。それらに浸透され、みずからが人間ならざるものとなった人間は、ただちに政治的動物としてではなく、非政治的なものへと開かれた存在として捉えることができる。新しい政治的関与の在り方は人間ならざるものの実存主義によって、本書においてはじめて哲学的に根拠づけられ、その真意が明らかにされるだろう。

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[目次]

イティネラリウム——人間ならざるものから反政治へ

第一部 戦後の京都学派の遺産
第一章 ポスト・ヒューマンへの東洋的な見方
第二章 日本哲学という意味の場

第二部 人間ならざるものと思弁的実在論
第一章 グラントのシェリング主義について
第二章 ドイツ観念論と思弁的実在論――メイヤスーとグラント
第三章 充足理由律の問題とメイヤスーの不在——二つのワークショップ
第四章 下方解体か掘削か——ハーマンのグラント批判
第五章 思弁的実在論から加速主義へ——ブラシエとグラント

第三部 新しい実在論と二つの実存主義
第一章 新しい実在論——フェラーリス・ボゴシアン・ガブリエル
第二章 ガブリエルとポストモダン——ボゴシアン『知への恐れ』評によせて
第三章 いかにして哲学は現実に至るのか
第四章 〈構成的退隠〉から〈無世界観〉へ——ガブリエルと形而上学
第五章 形而上学の根本的問いに答える——シェリングとガブリエル
第六章 意味論的観念論の批判——意味の場の存在論への通路として

第四部 反政治の政治学
第一章 反政治と再自然化
第二章 〈もの〉の政治的エコロジー——ベネットの生気的唯物論
第三章 ポスト・トゥルースを突き抜ける新しい哲学の挑戦
第四章 脱グローバリゼーションの存在論的基礎

あとがき

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[著者]浅沼光樹(あさぬま・こうき)
1964年、岩手県に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士後期課程哲学専攻(西洋哲学史)研究指導認定退学。京都大学博士(文学)。専門は哲学・哲学史。著書に『非有の思惟――シェリング哲学の本質と生成』(知泉書館、2014年)、『ポスト・ヒューマニティーズへの百年――絶滅の場所』(青土社、2022年)がある。