臨床と生政治

-〈医〉の社会学-

美馬達哉 著

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臨床と生政治

定価3,740円(本体3,400円)

発売日2024年9月26日

ISBN978-4-7917-7675-7

現場から浮かびあがる〈医〉の思想史
医療の専門職化の過程は反精神医学の歴史といかに結びつくのか。ゲノム編集ツール・CRISPR-Cas9は何をもたらしているのか。ニューロダイバーシティの思想と医療・ケアをめぐるジレンマとは。職場のストレスチェックとセルフケアの関係とは何か。臨床のあり方を問い直し、生政治の現在地をみつめる16講。

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[目次]

はじめに 

第1部 〈医〉と専門知
第1章 医療の専門家とは――陰謀と職業社会学 
第2章 精神医学批判を振り返る――一九七〇年前後 
第3章 精神医学の哲学としてのDSM的理性――精神科診断の歴史社会学 
第4章 脱精神医学化の二つのエッジ――RDoC(研究領域基準)とマッドネス 

第2部 〈医〉と技術
第5章 iPS細胞の三つの世界――再生医療の科学技術社会論 
第6章 クリスパー(CRISPR)哲学とラマルクの危険な思想 
第7章 ゲノム編集と社会――「遺伝子化論」の視座から 
第8章 数量化された自己 

第3部 〈医〉と政治
第9章 方法としての反ワクチン  
第10章 ニューロダイバーシティという思想 
第11章 正常、病理、そしてエンハンスメント 
第12章 エンハンスメント、ドーピング、そしてダイバーシティ? 

第4部 〈医〉と社会
第13章 安楽死は一つの顔をしていない
第14章 戦争/生政治/障害 
第15章 ストレスチェックと生権力 
第16章 ヴードゥー死するネコ―ストレス学説を再考する 

おわりに 

参考文献

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[著者]美馬達哉(みま・たつや)
1966年、大阪府生まれ。京都大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。現在、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。専門は医療社会学、脳科学。著書に『リスク化される身体 現代医学と統治のテクノロジー』(青土社)、『〈病〉のスペクタクル ――生権力の政治学』『脳のエシックス――脳神経倫理学入門』『感染症社会――アフターコロナの生政治』(以上、人文書院)、『生を治める術としての近代医療――フーコー『監獄の誕生』を読み直す』(現代書館)などがある。