終わるまではすべてが永遠

-崩壊を巡るいくつかの欠片-

木澤佐登志 著

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終わるまではすべてが永遠

定価2,860円(本体2,600円)

発売日2024年9月11日

ISBN978-4-7917-7659-7

何者かになることを強いられる時代に
生産性という計量可能な尺度によって物事が計られる世界で、私たちは疲弊し、無能感に取り憑かれているようだ。生まれてこないほうがよかったと嘆き、ここではないどこかへ脱出したいと願うとき、どこへ向かうことができるのか。加速に抗い、生に抗いながら生きる筆者が、政治・文化・思想を経巡りながら自由に紡ぎだす未来像。

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[目次]

はじめに

Ⅰ 加速する世界の憂鬱
1 気をつけろ、外は砂漠が広がっている――マーク・フィッシャー私論
2 魔女、ダンス、抵抗――現代魔女とクラブカルチャーの交差点
3 終わるまではすべてが永遠――永劫回帰と無為
4 「社会正義」に対する逆張りの系譜――イーロン・マスク、ピーター・ティール、ジョーダン・ピーターソン

Ⅱ 生まれてこないほうがよかった――ではどこへ?
1 さようなら、いままで夢をありがとう――〈名前のない特性〉を巡って
2 生に抗って生きること――断章と覚書
3 この世界、そして意識――反出生主義のユートピア(?)へ
4 男たちの営みを巡るいくつかの雑多な引用

Ⅲ 現実としてのここではないどこか
1 ダークの系譜――ヨーロッパ新右翼から暗黒啓蒙へ
2 一九八四年のメタバース
3 Qアノン、代替現実、ゲーミフィケーション
4 加速に抗う音楽たち――リヴァーブが木霊するYouTubeの亡霊空間
5 未来のユートピア的ノスタルジー的遠方――ヴェイパーウェイヴは代替現実の夢を視る

おわりに――Ghosts in the Broken Machine

初出一覧

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[著者]木澤佐登志(きざわ さとし)
1988年生まれ。文筆家。インターネット文化、思想など複数の領域に跨った執筆活動を行う。著書に『ダークウェブ・アンダーグラウンド 社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち』(イースト・プレス)、『ニック・ランドと新反動主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想』(星海社新書)、『失われた未来を求めて』(大和書房)、『闇の精神史』(ハヤカワ新書)がある。