定価2,200円(本体2,000円)
発売日2024年8月27日
ISBN978-4-7917-7668-9
世界中の翻訳者に愛される場所。
それは、シュトラーレンの「翻訳者の家」――
あなたがどの国から来ても、どんな言語の翻訳者でも、ここはあなたを受け入れます。じっくりと翻訳に専念していってください。
ドイツの果ての町で翻訳者のためのユニークな場所と出会った著者による、トランスレーター・イン・レジデンスのすすめ。
[目次]
まえがき
第一章 シュトラーレン
きみはもうSを知っているか?
西の果て
オランダまで三キロ
花の町
女性だらけのオフィス
館長かく語りき
増殖を続ける図書室
真夜中の足音
「なぜシュトラーレンに行くのか?」
窓辺の小母さん
第二章 翻訳者たち
ジャンヌと自転車
ユリアーネと七つの海
ダトーと墓地
ペニー・ブラックと「躓きの石」
マーヤとの散歩
アレクサンドロスと翻訳リレー
シャンドル、翻訳する詩人
マレクとヴィトゲンシュタイン
アンドレイと映画
第三章 小説を携えながら
サイクリングと「七つの泉」(オルガ)
巨大なパンケーキ(言葉の色彩と魔法)
大学生との交流(誰もいないホテルで)
シュタムティッシュ(エル・パソvs.エル・トロ)
ヴィリー、もしくは長い友情について
翻訳者の日、あなたは何をしますか?
日本翻訳大賞のこと
翻訳者の未来?
あとがき
付録 世界各国の「翻訳者の家」
[著者]松永美穂(まつなが・みほ)
ドイツ文学者、翻訳家。東京大学文学部卒業。同大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、早稲田大学文学学術院教授。ベルンハルト・シュリンク『朗読者』(新潮社)で第54回毎日出版文化賞特別賞を受賞。カトリーン・シェーラー『ヨハンナの電車のたび』(西村書店)で第20回日本絵本賞翻訳絵本賞を受賞。長年にわたって現代ドイツ文学の翻訳を多数手がけてきた。著書に『誤解でございます』(清流出版)など。2015年の創設時より日本翻訳大賞の選考委員を務める。