現代思想2024年7月号 特集=ウィーナーとサイバネティクスの未来

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現代思想2024年7月号 特集=ウィーナーとサイバネティクスの未来

定価1,760円(本体1,600円)

発売日2024年6月27日

ISBN978-4-7917-1467-4

生誕130年/没後60年…サイバネティクスの創始者、その思想に迫る
情報科学技術の発展史に不滅の足跡を遺した数学者ノーバート・ウィーナー。彼が生み出した「サイバネティクス」の理論は、生命と機械の双方を射程に収める統一科学として広範な領域に影響を与えてきた。生成AIが爆発的に普及し第四次人工知能ブームともいわれるいま、その源泉の一つであるとともになおも新たなインスピレーションを掻き立ててやまないウィーナーの思想とそのアクチュアリティに肉薄する。

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[目次]

 

特集*ウィーナーとサイバネティクスの未来

 

【討議】
人間・機械・社会――サイバネティクスの哲学と倫理 / 河島茂生+大黒岳彦

【見通す者としての科学者】
工学的統一科学の構想――工学帝国主義としてのサイバネティクス / 河西棟馬
単純労働の機械化が何をもたらすか?――ウィーナー「電子頭脳と次なる産業革命」を読む / 杉本舞
ウィーナーのサイバネティクスにおける実証主義哲学――〈神とゴーレム社〉の欽定 / 近藤和敬
無人地帯(ノー・マンズ・ランド)の行方、あるいは一般器官学の可能性 / 宇佐美達朗

【変貌する〈知〉の未来形】
ウィーナーとフォン・ノイマン / 高橋昌一郎
実存的サイバネティクスへ / 三宅陽一郎
生命と機械の統一情報理論――サイバネティクスと学際科学のエコロジー / 丸山善宏
脳の中の粘菌にエサを与えるには?――非人間によるアートをめぐる考察 / 齋藤帆奈

【生きとし生けることの思想】
近未来にサイバネティクスの復権なるか / 西垣通
サイバネティクスの二つの潮流と生成AI / 西田洋平
生命論的情報美学の提案に向けた基礎的考察――M・ベンゼ『情報美学入門』再読を通じて / 大井奈美
ネオ・サイバネティクスとかなしみの惑星 / 原島大輔

【操舵主たちの政治学】
機械とエコロジー / ユク・ホイ(訳=原島大輔)
リヴァイアサンと惑星的サイバネティックス――新たな政治哲学に向けて / イ・アレックス・テックァン(訳=鍵谷怜)
クローズド・システム――サイバネティクスと冷戦期の生態学的想像力 / 長谷川健司
壊れた世界とサイバネティックス――一頭馬車、ウィーナー、加速主義 / 小泉空


【新連載●京都〈移民〉紀行●第一回】
〈移民〉と古都 / 森千香子

【連載●科学者の散歩道●第一〇三回】
核分裂発見から科学戦時動員まで――英国の熱気が米国に / 佐藤文隆

【連載●社会は生きている●第二三回】
環境とシステム 9――世界という主体 / 山下祐介

【連載●現代日本哲学史試論●第七回】
反省的理論構築の時代へ――中島義道の続き、そして野矢茂樹 / 山口尚
 

【研究手帖】
ビデオゲームと外の戯れ 平田公威