定価1,980円(本体1,800円)
発売日2024年5月21日
ISBN978-4-7917-1465-0
考えることを人生にプラスする
時代もジャンルも問わず、専門家が選びぬいた一冊を集め、これからを生きる人たちに向けて送る珠玉のブックガイド。表面的なわかりやすさに流されることなく、しかし平易に綴られた文章は、たんに読者に一冊の概要を知らせるのではなく、その書物の向こうに広がる知の宇宙へと読者が旅立つためのスタート地点の役割を果たしてくれるだろう。
【目次】
現代思想+ 15歳からのブックガイド
医療 マクニール『疫病と世界史』 文系・理系の枠をこえて楽しめる歴史書 / 美馬達哉
歴史 手塚治虫『アドルフに告ぐ』 「歴史意識」を学ぶということ / 小野寺拓也
政治 マキャヴェリ『君主論』 一度しか生きられない人間はこの世に何を賭けるべきか / 重田園江
思想 加藤典洋『敗戦後論』 「ねじれ」と「よごれ」を生きる / 岩内章太郎
法 リップシュタット『否定と肯定』 悪しき両論併記に堕しないために / 木村草太
多様性 田中宏『在日外国人』 多様性を当たり前のものにするために / 朴沙羅
フェミニズム リッチ『世界の半分、女子アクティビストになる』 立ち上がり、声をあげるときに知っておくべきこと / 北村紗衣
コミュニケーション イプセン『人形の家』 支配するコミュニケーション / 三木那由他
家族 宇佐見りん『くるまの娘』 ありきたりの定義に抵抗し続ける / 信田さよ子
心 木村敏『異常の構造』 「ふつう」の手前から考える / 松本卓也
傷 ハーマン『心的外傷と回復』 あなたの灯火になる言葉 / 岩川ありさ
哲学 西田幾多郎『善の研究』 蒼龍の宝珠 / 浅沼光樹
宗教 石牟礼道子『椿の海の記』 現代の孤独に響く宗教と民衆文化 / 島薗進
文学 ウォーカー『カラーパープル』 暴力に抗うための手紙の連鎖 / ハーン小路恭子
環境 幸田文『木』 ちがう時間を生きるものへの共感 / 青田麻未
占い カーネマン『ファスト&スロー』 もしあなたが、占いを仕事にしようと思うなら。 / 石井ゆかり
科学 池谷裕二『進化しすぎた脳』 脳の特性を知れば、あなたの能力は大躍進 / 小川眞里子
数学 アティヤ『数学とは何か』 アルスとテクネの交叉点 / 丸山善宏
宇宙 小松左京『果しなき流れの果に』 時空を超えた物語と科学革命のめくるめく熱 / 井田茂
自然 辻まこと『あてのない絵はがき』 山の声、人のしるし / 石井美保
AI チャン『あなたの人生の物語』 AIが支配するかもしれない世界で、なんのために生きるのか / 松井哲也
言語 オースティン『言語と行為』 あなたはまだオースティン以前の言語観を生きているのか / 和泉悠
芸術 ビショップ『ラディカル・ミュゼオロジー』 美術館から「現代」を再考する / 小田原のどか
建築 坂牛卓『教養としての建築入門』 雑種的な分解を読み解く / 五十嵐太郎
ファッション バーバー『女の仕事』 「見えない」歴史から衣服をたどる / 平芳裕子
食 白尾悠『サード・キッチン』 多文化社会をつなぐ食 / 阿古真理
仕事 アレント『人間の条件』 仕事することと労働すること / 百木漠
経済 河邑厚徳+グループ現代『負債論・エンデの遺言・貨幣の思想史』 社会を変えるお金 / 小川さやか
身体 ブルデュー『ディスタンクシオン』 身体の社会性 / 石岡丈昇
抵抗 ツァラ『ムッシュー・アンチピリンの宣言』 ダダのほうへ、おもむろに / 森元斎
古典 藤井貞和『古典の読み方』 現代社会で古典を読むということ / 青島麻子
未来 バトラー『キンドレッド』 異なる存在(あるいは異ならない存在)と向き合うタイムスリップ / 宮本道人