定価2,860円(本体2,600円)
発売日2024年3月23日
ISBN978-4-7917-7636-8
忘れないことと、消し去らないこと
三陸の漁師たちの声、「外国人花嫁」たちの声、そして石牟礼道子や宮沢賢治、森崎和江らの声が響き合い、時空を超えて〈東北〉の実相を浮かび上がらせる。
東日本大震災の直後から今に至る軌跡が綴られる、歴史の声のかたち。
[目次]
はじめに 足元のジェノサイドを掘り起こすとき
南三陸〈感情島〉
南三陸〈感情島〉――海と生きる
〈東北〉が、はじまりの場所になればいい
ポスト311課題先進地から考える、もうひとつの社会構想
精神の離散と祈り
苦海浄土と三月一一日の祈り
自感する宇宙
明日なき《世界》——つぎつぎとなりゆく犠牲
東日本大震災からの一〇年目 そして︑関東大震災から九八年目に 185
共時的記憶の《世界》
女性視点から考える〈三陸世界〉
〈三陸世界〉に生きるということを学ぶ
日本型複合差別-試論――核をめぐるインターセクショナリティ
無名の思想――森崎和江のさいはて
水俣病事件一〇〇年目に、〈東北〉から
あとがき
[著者] 山内明美(やまうち・あけみ)
1976年、宮城県南三陸町生まれ。宮城教育大学教育学部准教授。専攻は歴史社会学、社会思想史。著書に『こども東北学』(イースト・プレス)がある。共著に『「辺境」からはじまる――東京/東北論』(明石書店)、『岩波講座 現代 第4巻 グローバル化の中の政治』、『ひとびとの精神史 第3巻 六〇年安保――1960年前後』(以上、岩波書店)、『忘却の野に春を想う』(白水社)などがある。