言葉は選ぶためにある

-江戸から見ると-

田中優子 著

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言葉は選ぶためにある

定価2,200円(本体2,000円)

発売日2024年2月19日

ISBN978-4-7917-7630-6

「言葉の軽さ」を乗り越えるために
SNS全盛の現代に言葉の暴力を考える「言葉は選ぶためにある」、他国への侵略ではなく内発的発展こそが人々を豊かにすると説く「豊かさのつくりかた」、戦時体制に組み込まれた女性たちの歴史を現代への教訓とする「女たちの一揆」など、戦争と蛮行の時代に鋭く響く珠玉の連載コラムを書籍化。

「皆で同じ言葉を発するのではなく、はやり言葉に呑み込まれるのでもなく、言葉の海から、自らの心に沿った一しずくを見つけることを重ねて、心の深いところまで降りて行こう。」(「まえがき」より)

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[目次]

まえがき

Ⅰ 江戸から見ると 2022年
落語と遊廓/身を修める/水俣学/Re EDOcate Me! その1/Re EDOcate Me! その2/ブルシット・ジョブ/監視資本主義/水平社宣言一〇〇年/猫の日/小さくなること/家内安全の要/大正・昭和の吉原/昭和の着物/侵略/歴史を知る意味/点字ブロック/アジア太平洋多文化協働センター/沖縄返還から五〇年/沖縄と韓国/満蒙開拓平和記念館/女性への真の支援/テリトーリオ/豊かさのつくりかた/頼りない政権/プーチン憲法と自民党憲法案/現代の浄瑠璃/投票率約五二%/本の寺子屋/とんだ霊宝/半島と列島/私は在日横浜人/家族とは/国葬/台湾/先祖のたたり駆除/大人たちの無知/空から/歩く文学・聞く文学/高知の豊かさ/大江戸視覚革命/家業としての政治/目黒のさんま方式/宗教政策が必要/をちこち・その1/をちこち・その2/三味線の居場所・その1/三味線の居場所・その2/再利用でいいの?/パンとサーカスの一年

Ⅱ 江戸から見ると 2023年
外は、良寛。/共同体の中の宗教/渡辺京二さんをしのぶ/女たちの一揆・その2/パパラッチ/言葉は選ぶためにある/活字人間・家康/出兵しなかった家康/その時代の日本/戦争の足音・その2

Ⅲ 時代を読む 2021年~2023年
それどころではない人々/このあとどうする?/六人の任命を求め続ける/国民の四分の一が決める国/別世で出会う多様/封建時代か?/直線の国境/もう一度近現代史/沖縄本土復帰五〇年に思う/ユネスコ前文が示唆するもの/国家・宗教・個人/哀悼イッセイ・ミヤケ/拝啓・安倍晋三様/原子力市民委員会の提言/マインドコントロール/反戦準備/社会はどう変わってしまうのですか?/「人権」再考/守ってやるぞ詐欺/「女性支援法」まで一〇カ月/差別増進法施行/事実を伝えてほしい/廃炉の現実に向き合う/会見規制事件/公金とコスプレ/「酷」の一年

あとがき

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[著者]田中優子(たなか・ゆうこ)
1952(昭和27)年神奈川県生まれ。江戸文化研究者。法政大学名誉教授。同大学江戸東京研究センター特任教授。法政大学文学部卒業、同大学院人文科学研究科博士課程満期退学。法政大学社会学部教授、社会学部長、同大学第19代総長を歴任。『江戸の想像力』で1986年度芸術選奨文部大臣新人賞(評論その他部門)を受賞、『江戸百夢』で2000年度芸術選奨文部科学大臣賞(評論その他部門)と2001年サントリー学芸賞(芸術・文学部門)を受賞。2005年紫綬褒章受章。『毎日新聞』紙上で連載されたコラム「田中優子の江戸から見ると」の2015年~2017年を『江戸から見ると 1』、2018年~2019年を『江戸から見ると 2』、2020年~2021年を『女だろ!――江戸から見ると』として、いずれも青土社より刊行。