〈日韓連帯〉の政治社会学

-親密圏と公共圏からのアプローチ-

玄武岩、金敬黙、松井理恵 著

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
  • Google+でシェア
〈日韓連帯〉の政治社会学

定価2,640円(本体2,400円)

発売日2023年12月27日

ISBN978-4-7917-7621-4

親密圏と公共圏からみる
近年の日韓関係の葛藤の根源を診断し、未来志向のパートナーシップの展望を開くためにも、社会・文化における交流の実践と歴史に注目することが重要である。本書は、「日韓連帯」というトランスナショナルな「運動文化」の多様な経験が日韓関係において位置づけられる政治社会学的な性格について議論する。とくに、「日韓連帯」を抵抗空間としての「公共圏」だけでなく、共感とコミュニケーションのあり方として「親密圏」のもつ政治的役割にも注目し、運動内での個人のアイデンティティや文化的ダイナミズムが構築されていくプロセスを浮き彫りにする。

 

【目次】

 序章 親密圏と公共圏からみる「日韓連帯」
     戦後補償運動へのナラティブ・アプローチ 玄 武岩 


第一部 親密圏としての戦後補償運動 


 第一章  親密圏からみるアジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求訴訟の展開と市民運動
      「日本の戦後責任をハッキリさせる会」の活動に着目して 金 誠

 第二章 戦後補償運動における支援者と被害者の連帯
      「関釜裁判を支援する会」の実践を事例に 金 明柱 

 第三章 歴史を語り継ぐための闘いと連帯
      「名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会」 福島みのり


 第四章 「平和の少女像」を展示する実践
      〈日韓連帯〉の親密圏から公共圏を成立させる 倉橋耕平

 

 コラム①  「言葉」を越える生身の人間の軌跡
       ウトロ地区にみる日韓連帯 全ウンフィ 

第二部 グローバル市民社会のなかの〈日韓連帯〉 

 第五章 間をつくる
      一九九〇年代の沖縄と韓国の民衆連帯について 呉 世宗 

 第六章 試論 日本人ジャーナリストたちにとっての韓国/朝鮮
      古野喜政と長沼節夫 森 類臣 

 第七章 日韓市民連帯の延長線上におかれる日本と南北コリアの交流
      NGOによる人的交流事業の考察を中心に 金 敬黙 

 第八章 大邱における近代建築物保全運動と日韓連帯の可能性 松井理恵 

 

 コラム②  「他者の目を持とう」
       演劇交流に見る日韓連帯 徐 在吉 

 あとがき 「日韓連帯」という運動文化 玄 武岩