〈怪奇的で不思議なもの〉の人類学

-妖怪研究の存在論的転回-

廣田龍平 著

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
  • Google+でシェア
〈怪奇的で不思議なもの〉の人類学

定価3,080円(本体2,800円)

発売日2023年12月27日

ISBN978-4-7917-7611-5

妖怪は本当に存在しないのか?
「妖怪は超自然的で非科学的で現実には存在しない」。それはつくられた伝統である。アクターネットワーク理論やパースペクティヴィズム、マルチスピーシーズ人類学などを駆使し、新しい妖怪研究がここに展開される。TikTokや2ちゃんねる等で流通するネット怪談までをフィールドとする俊英による、民俗学と人類学を架橋する画期の書。

line2.gif

[目次]

まえがき 

第1部 新しい妖怪学
第1章 自然的、超自然的、超常的――戦後日本における妖怪の存在論的身分
第2章 神なき時代の妖怪学
第3章 何とも言えぬ何かの群れに囲繞される(こともある)私たち――プラズマ、無関係、妖怪、怪奇的自然、幽霊、ぞっとするもの、エクトプラズム、タンギー

第2部 アニミズムからアナロジズムへ
第4章 異人論が異人と出あうとき――動物=妖怪としての異人をアマゾニアに探る
第5章 存在論的反転としての股のぞき  
第6章 鳥獣戯画はアニミズム的とは言えない――動物妖怪との比較から
第7章 ゴリラ女房とその仲間――エーバーハルト121 からAT 485A へ

第3部 ネット怪談の世界
第8章 非人間の/による認識の存在論的造作 
第9章 非人間的な文字列――譁・ュ怜喧縺代・螟夊・然主義的概念化
第10章 村と駅――ネット怪談における異界的儀礼と異世界的バグ
第11章 恐怖に物語は必要ない――TikTok において異世界実況系の動画を視聴するとはどういうことか
第12章 ノスタルジック・ホラー――バックルームとコアの世界

あとがき 
参考文献一覧 
索引 

line2.gif

[著者]廣田龍平(ひろた りゅうへい)
1983 年生まれ。法政大学ほか非常勤講師。専攻は文化人類学、民俗学。単著に『妖怪の誕生――超自然と怪奇的自然の存在論的歴史人類学』(青弓社)がある。訳書にマイケル・ディラン・フォスター『日本妖怪考――百鬼夜行から水木しげるまで』(森話社)がある。