定価3,520円(本体3,200円)
発売日2023年12月26日
ISBN978-4-7917-7610-8
オープンダイアローグの淵源から、日本の臨床の現在地まで
医師が患者を一方的に「診る」ことから解放したリフレクティングという思想と実践。
患者、家族はもちろん、医師や看護師、心理士、介護者たちをも支援する手法の秘密はどこにあるのか。
臨床現場のあり方の根幹を問い直す、画期的なケア論。
[目次]
はじめに
序章 あいだからながめる
コラム① あたりまえの会話が生まれる場所
実践編
Ⅰ 精神医療現場のリフレクティング
1章 臨床のコンテクストに風を通すもの
2章 精神医療の現場に風を通し、会話の風土を育む
コラム② リフレクティングって何? どうすれば導入できるの?
Ⅱ 矯正現場のリフレクティング
3章 北欧の刑務所におけるリフレクティングの展開
4章 立ち直り支援を内側から乗り越える
コラム③ 矯正職員のためのリフレクティング
Ⅲ 多機関連携のリフレクティング
5章 ディスコミュニケーションの場をひらく――多職種協働のためのリフレクティング
コラム④ 未来を語る? 未来で語る?
理論編
Ⅳ ケアの臨床社会学
6章 ケアのコードをほぐしつつ編みなおす
7章 ケアの社会学と社会学的ケア―― だれが、だれに、なにを、いかに、いつ、どこで、なすのか
Ⅴ ナラティヴとリフレクティング
8章 会話についての会話というシステム
9章 ナラティヴのオルタナティヴとしてのリフレクティング
10章 表層を豊饒化すること
Ⅵオープンダイアローグとリフレクティング
11章 オープンダイアローグを殺さないために
12章 ダイアローグのオープンさをめぐるリフレクティング
13章 オープンダイアローグのコンテクストとしてのリフレクティング
Ⅶ ダイアローグを超えて
14章 つぎつぎになりゆく出来事と対話的であること――ジョン・ショッターによるトム・アンデルセン
15章 反復(タクト)でなく更新(リズム)のために
16章 ビヨンド・ダイアローグ
終章 風土に随い、風土を涵養する 373
おわりに
参考文献
人名索引
事項索引
[著者]矢原隆行(やはら・たかゆき)
1968 年宮崎県生まれ。九州大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、熊本大学大学院人文社会科学研究部教授。専門は臨床社会学。著書に『リフレクティング――会話についての会話という方法』(ナカニシヤ出版)、共著・共編著に『トム・アンデルセン 会話哲学の軌跡―リフレクティング・チームからリフレクティング・プロセスへ』(金剛出版)、『ナラティヴからコミュニケーションへ―リフレクティング・プロセスの実践』(弘文堂)など。