この世界はどんな世界か?

-パンデミックの現象学-

ジュディス・バトラー 著,中山徹 訳

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この世界はどんな世界か?

定価2,420円(本体2,200円)

発売日2023年12月26日

ISBN978-4-7917-7614-6

コモンとしての世界の共有へ。
「経済の健康」のために「人々の健康」を犠牲にする暗黙の政治、生命を犠牲にしてまで市場の価値を重視する死の欲動に、われわれはいかにして対抗可能となるのか。先例のないウィルスの蔓延を奇貨として、呼吸、接触、多孔性といった身体に不変の性質を新たな世界感覚へと練り上げていく、パンデミックを通過した時代の哲学。

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[目次]

謝辞

序論

第一章 世界感覚――シェーラーとメルロ=ポンティ

第二章 パンデミックにおける権力――制限された生活をめぐる省察

第三章 絡み合い――倫理および政治としての

第四章 生者にとっての悲嘆可能性

あとがき――変容

原注

訳者あとがき

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[著者]ジュディス・バトラー(Judith Butler)
カリフォルニア大学バークレー校大学院特別教授。主な著書に『ジェンダー・トラブル――フェミニズムとアイデンティティの攪乱』(竹村和子訳、青土社)、『問題=物質(マター)となる身体――「セックス」の言説的境界について』(佐藤嘉幸監訳、竹村和子・越智博美ほか訳、以文社)、『触発する言葉――言語・権力・行為体』(竹村和子訳、岩波書店)、『権力の心的な生――主体化=服従化に関する諸理論』(佐藤嘉幸・清水知子訳、月曜社)、『アンティゴネーの主張――問い直される親族関係』(竹村和子訳、青土社)、『生のあやうさ――哀悼と暴力の政治学』(本橋哲也訳、以文社)、『自分自身を説明すること――倫理的暴力の批判』(佐藤嘉幸・清水知子訳、月曜社)、『戦争の枠組――生はいつ嘆きうるものであるのか』(清水晶子訳、筑摩書房)、『分かれ道――ユダヤ性とシオニズム批判』(大橋洋一・岸まどか訳、青土社)、『アセンブリ――行為遂行性・複数性・政治』(佐藤嘉幸・清水知子訳、青土社)、『非暴力の力』(佐藤嘉幸・清水知子訳、青土社)など。

[訳者]中山 徹(なかやま・とおる)
一橋大学大学院言語社会研究科教授。著書に『ジョイスの反美学』、共編著『個人的なことと政治的なこと』(いずれも彩流社)、訳書にスラヴォイ・ジジェク『脆弱なる絶対』『全体主義』『操り人形と小人』『大義を忘れるな』『暴力――6つの斜めからの省察』『ジジェク、革命を語る』『絶望する勇気』『真昼の盗人のように』『性と頓挫する絶対』(いずれも青土社)、ポール・ド・マン『ロマン主義と現代批評』(彩流社)など。