定価3,520円(本体3,200円)
発売日2023年12月27日
ISBN978-4-7917-7609-2
デリダ思想の知られざる前史
のちに脱構築の思想家として名を馳せる若き哲学者が講義のテーマに選んだのは、アランの一節だった——。「考えるとはなにか」という素朴な問いにはじまる全4回の講義は、ベルクソンやフッサール、サルトルなどの読解を経由しながら、やがてウィ/ノンをめぐる根底的な問題へと遡行してゆく。哲学史のめくるめく渉猟とテクストの繊細な読解が光る、最初期の貴重な講義録。
[目次]
編者序文——ウィ ノン
第一回
第二回
第三回
第四回
付録/訳注/訳者解説/索引
[著者]ジャック・デリダ(Jacques Derrida)
フランスの哲学者。1930 年にアルジェリアに生まれる。ソルボンヌ大学、高等師範学校、社会科学高等研究院などで教鞭をとる。2004 年没。はじめフッサール現象学の研究から出発し、後に「脱構築」と呼ばれる独自の思想を築く。著書に『幾何学の起源・序説』(1962 年)、『声と現象』(1967 年)、『グラマトロジーについて』(1967 年)、『散種』(1972 年)、『哲学への権利』(1990 年)、『友愛のポリティックス』(1994 年)、『ならず者たち』(2003 年)など多数。
[訳者]松田智裕(まつだ・ともひろ)
立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員。立命館大学大学院文学研究科博士 後期課程修了。著書に『弁証法、戦争、解読──前期デリダ思想の展開史』 (法政大学出版局)、訳書にジャック・デリダ『生死』(白水社、共訳)、マーティン・ヘグルンド『ラディカル無神論──デリダと生の時間』(法政大学 出版局、共訳)。