天守のない城をゆく

-城の楽しみ方、活かし方-

澤宮優 著

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天守のない城をゆく

定価2,420円(本体2,200円)

発売日2023年10月27日

ISBN978-4-7917-7594-1

巡る、知る、活かす。城の楽しみは無限大。
全国に存在する天守のない城は、地域の歴史や文化をあますことなく伝え、魅力は尽きない。人々の思いが息づく全国の天守のない城を巡り、その奥深さ、地域と一体となった保存・活用例を紹介し、行きすぎた観光に歯止めをかけ、望ましい城のあり方に一石を投じる。

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[目次]

はじめに

序章 そもそも「城」とは何なのか?

第1部 城の物語
第1章 関ケ原 敗者の武将の城物語
1 西軍を率いた石田三成の「佐和山城」
2 友情に殉じた武将大谷吉継の「敦賀城」
3 キリシタン大名小西行長の「宇土城」
4 五奉行 長束正家の「水口岡山城」は一夜城で復活

第2章 大河ドラマに登場する城を歩く
1 「真田丸」ゆかりの城
2 「麒麟がくる」の明智光秀の「坂本城」のその後
3 忠臣蔵「赤穂浪士」「元禄繚乱」「峠の群像」などの「赤穂城」
4 大河ドラマ脇役たちの城

第3章 城と現代を結ぶ物語
1 山城から近世城郭へ変遷を伝える「鳥取城」
2 「尼崎城」と城郭画家・荻原一青

コラム 北海道のチャシ

第2部 城の保存の物語
第4章 活用重視の「文化財保護法改定」で、城をどう活かすか
1 発掘の「見える化」にこだわった「駿府城跡」
2 地域の原風景を城とともに大切にしたいという「富松城」
3 町と城を一体化した観光政策 鳥取県「米子城」

第5章 城に天守は必要なのか 再建ブームに思う
1 東日本一の高さを誇る石垣 「甲府城」
2 山城保存の理想形「玄蕃尾城跡」
3 山城をどう活かすか 天空の城「竹田城」
4 地域の力で活性化の「美濃金山城」
5 伐採という最高の整備の「月山富田城」

第6章 もうひとつの城の見方を探る
1 天守なき城の魅力
2 地域とともにある活用を

あとがき
参考文献

 

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[著者]澤宮優(さわみや・ゆう)
ノンフィクション作家。歴史から文学、映画、スポーツまで幅広く執筆。1964年、熊本県生まれ。青山学院大学文学部史学科(考古学専攻)卒業、早稲田大学第二文学部日本文学専修卒業。著書に『戦国廃城紀行 敗者の城を探る』『廃墟となった戦国名城』(以上、河出書房新社)『「考古学エレジー」の唄が聞こえる』(東海教育研究所)など多数。文化財保存全国協議会会員、肥後考古学会会員。