定価3,300円(本体3,000円)
発売日2023年10月12日
ISBN978-4-7917-7587-3
レアリスト蕪村に本質をみた画期的な労作
冷徹な眼差しを社会的弱者に注いでヒューマニスティックな句を作り、自らの境涯を顧みて悲痛な自画像を描いた巨人。
斬新な視点からその豊穣な世界を解明し、新たな蕪村像を確立する。
[目次]
Ⅰ
百姓の句について
境涯詠について
小家がちなど、家のある風景の句について
案山子の句について
Ⅱ
「北寿老仙をいたむ」について
「春風馬堤曲」について
Ⅲ
牡丹の句について
鮓の句について
「鮎くれて」の句について
「葱買て」の句について
「几巾」の句について
いわゆる「浪漫的」な句について
後記
[著者]中村稔(なかむら・みのる)
1927年、埼玉県大宮生まれ。詩人・弁護士。一高・東大法学部卒。『世代』同人。1950年、書肆ユリイカから詩集『無言歌』を処女出版。詩集『鵜原抄』(高村光太郎賞)、『羽虫の飛ぶ風景』(読売文学賞)、『浮泛漂蕩』(藤村記念歴程賞)、『言葉について』(現代詩人賞)、伝記『束の間の幻影 銅版画家駒井哲郎の生涯』(読売文学賞)、自伝『私の昭和史』(朝日賞、毎日芸術賞、井上靖文化賞)ほか、著書多数。