ユリイカ2023年10月号 特集=追悼・中島貞夫

-『893愚連隊』『日本暗殺秘録』『狂った野獣』、そして『多十郎殉愛記』-

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ユリイカ2023年10月号 特集=追悼・中島貞夫

定価1,980円(本体1,800円)

発売日2023年9月28日

ISBN978-4-7917-0437-8

「映画監督中島貞夫」への追悼
時代劇、ポルノ、そしてやくざ映画──。「健全娯楽」から「不良性感度」へと移り変わる時代の東映、プログラムピクチャーの量産体制の中で「反逆の美学」をフィルムに刻み込み続けた映画監督・中島貞夫。中島のデビュー作『くノ一忍法』などで協働している盟友・倉本聰や遺作『多十郎殉愛記』の主演を務めた高良健吾へのインタビューをはじめとした様々な言葉を通し、ショットのひとつひとつにのこされた中島の生の痕跡を見つめ直したい。


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特集*追悼・中島貞夫──『893愚連隊』『日本暗殺秘録』『狂った野獣』、そして『多十郎殉愛記』

❖インタビュー〈1〉
それぞれの刻(とき) / 倉本 聰 聞き手=編集部 

❖残日録
娘から妹へ──最後まで京都に居続けた中島貞夫監督について / 橘 麻紀(真紀) 
仕様がねェナ / 立川談春 
「ギリ研」の中島貞夫 / 細井雄介 

❖インタビュー〈2〉
「中島は頭が良く、作品には品格があった。もっと大きい監督になれたはずや」 / 高田宏治 聞き手・構成=伊藤彰彦 

❖反逆の快楽
「天皇たら親分たらはきらいなんや」 / 伊藤彰彦 
明日はいずこの町か──中島貞夫に関する断片 / 長濱一眞 
チンピラと情念──やくざ映画における中島貞夫の作家性 / 數藤友亮 
中島貞夫の異端的やくざ映画とアジア・太平洋戦争の記憶──一九六〇年代後半から七〇年代の作品を中心に / 角尾宣信 

❖インタビュー〈3〉
途上にて / 北大路欣也 聞き手=編集部 

❖インタビュー〈4〉
軽やかな半世紀 / 三島ゆり子 聞き手=編集部 

❖時代の熱
中島貞夫さんの事。 / 三上 寛 
熱の痕 / 成瀬正孝 

❖暗殺という情動/思想
情動が世界を縦に切り裂く──中島貞夫監督『日本暗殺秘録』(一九六九年) / 廣瀬 純 
相克と空洞──中島貞夫監督『日本暗殺秘録』(一九六九年)を読み直す / 紙屋牧子 

❖インタビュー〈5〉
信じること、演じること、生きること / 高良健吾 聞き手=編集部 

❖ 座談会
殉愛への追想 / 熊切和嘉×谷 慶子×朝倉義人 

❖遺された記憶
わたしの僥倖・『遊撃の美学』 / 河野眞吾 
『FB』そして『映画の四日間』 / 吉田 馨 
強かな中島貞夫監督を悼む / 太田米男 
京都映画祭の想い出 / 冨田美香 

❖撹乱する者たち
坐産介添人──妊娠映画作家・中島貞夫 / 木下千花 
『大奥㊙︎物語』──「女性向け」「男性向け」分割を超える女性像 / 鷲谷 花 
利休、そして、「ひとり寝の子守唄」──ブラウン管の中島貞夫 / 濱田研吾 

❖採録
中島貞夫 最後の公開講演──「5万回斬られた男・福本清三3回忌追善イベント」 / 採録・構成=大野裕之 

❖「いいもの」を作る
「作らなきゃ、ないんだからね」 / 大野裕之 
中島監督のはらわた / 松原龍弥 

❖ はぐれものたちのドラマツルギー
中島貞夫のスフィンクス──『女番長 感化院脱走』と不安 / 木原圭翔 
よるべなきものたちの旅──野上龍雄と中島貞夫 / 高鳥 都 
いくつかの『人生劇場』──内田吐夢と中島貞夫 / 藤田奈比古 

❖資料
中島貞夫主要映画解題 / 高部 遼 
『中島貞夫の邦画指定席』放送作品リスト / 資料提供=KBS京都/岡田 豊 

❖追悼・鈴木一誌
「ブック=デザイン」の人・鈴木一誌の死を悼む / 赤崎正一 
ひとしさん / 大木 茂 
文革・映画・デザイン──私にとっての鈴木一誌の仕事 / 土屋昌明 

❖忘れられぬ人々*24
故旧哀傷・野見山暁治 / 中村 稔 

❖物語を食べる*32
アマゾネス的な哀しみ、そして希望 / 赤坂憲雄 

❖詩
遠い雷光の地、論証の月日 / 稲川方人 

❖今月の作品
山内優花・木下多尾・のもとしゅうへい・たかすかまさゆき・赤澤玉奈・栫伸太郎 / 選=大崎清夏 

❖われ発見せり
渓谷は地下の墓 / 生熊源一 

表紙・目次・扉……北岡誠吾
表紙写真……映画『太秦ライムライト』より ©️RIVER CO.,LTD / 2013 太秦ライムライト