定価5,940円(本体5,400円)
発売日2023年8月29日
ISBN978-4-7917-7581-1
「ホモ・サケル」の新たなる展望
権力が〈オイコノミア〉――人間や事物に対する統治――という形式を引き受けたのはなぜか? その権力が〈栄光〉――儀礼的・典礼的装置――を必要とするのはなぜか?フーコーによる「統治性」研究の衣鉢を継ぎつつ、キリスト教神学の黎明に遡り、権力の〈オイコノミア〉と〈栄光〉の系譜を明らかにして、現代のコンセンサス民主主義やメディアの構造的母型を照らし出す、現代思想の旗手アガンベンによる新たなる主著。
[目次]
序
一 二つのパラダイム
境界線
二 オイコノミアの神秘
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三 存在と行動
境界線
四 王国と統治
境界線
五 摂理機械
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六 天使論と官僚制
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七 権力と栄光
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八 栄光の考古学
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付論 近代人のオイコノミア
一 法と奇蹟
二 見えざる手
翻訳者あとがき
新装版への翻訳者あとがき
人名索引
[著者]ジョルジョ・アガンベン(Giorgio Agamben)
1942年生まれ。美学・言語哲学から出発し、現在政治哲学を中心に著作を発表している。日本語訳に、『スタンツェ』『言葉と死』(筑摩書房)、『人権の彼方に』『ホモ・サケル』(以文社)、『アウシュヴィッツの残りのもの』『到来する共同体』『散文のイデア』(月曜社)、『例外状態』(未來社)、『スタシス』『私たちはどこにいるのか?』(青土社)、『いと高き貧しさ』『身体の使用』(みすず書房)など多数。
[訳者]高桑和巳(たかくわ・かずみ)
1972年生まれ。慶應義塾大学理工学部教授。専門はフランス・イタリア現代思想。著書に『アガンベンの名を借りて』(青弓社)、『哲学で抵抗する』(集英社新書)など、訳書にG・アガンベン『ホモ・サケル』『スタシス』『散文のイデア』などの他、M・フーコー『安全・領土・人口』(筑摩書房)、J・デリダ『死刑Ⅰ』(白水社)など多数。