現代思想2023年9月臨時増刊号 総特集=関東大震災100年

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現代思想2023年9月臨時増刊号 総特集=関東大震災100年

定価1,540円(本体1,400円)

発売日2023年8月8日

ISBN978-4-7917-1450-6

近代日本の歴史を画する大災害は私たちに何を残したのか
1923年9月1日――首都・東京を含む関東一円を襲った、推定マグニチュード7.9ともいわれる大地震。その被害は広範囲に及ぶ火災や土砂災害、おびただしい数の家屋倒潰に留まらず、流言にもとづく虐殺によっても朝鮮人をはじめとする多くの人々が命を奪われた。関東大震災の惨禍とその後の復興の歩みは、100年後の私たちに何を問いかけるのか。忘却に抗い、未来に記憶をつないでいくためのメモリアル。

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【目次】

 

総特集*関東大震災100年

 

【討議】
虐殺の歴史の延長線上に立つ / 飯山由貴+朴沙羅

【マンガ】
關東大震大火實況 / 永美太郎

【惨禍の実相】
「虐殺絵」が時代をこえて射るもの / 新井勝紘
ろう者の画家・高増径草の震災体験――関東大震災下における「日本人」のゆらぎ / 小薗崇明

【災厄の政治学】
市民社会の「隠れ屋」――人種主義的認識が作動・反復する時 / 平野克弥
一九〇六年から一九二三年へ――「大正アナルコ‐サンジカリズム時代」と虐殺についての素描 / 酒井隆史
金子光晴と大虐殺の記憶――「東京哀惜詩篇」から「東京哀傷詩篇」へ / 逆井聡人
関東大震災前後と革命的知識人――有島武郎と日本共産党をめぐる一考察 / 木村政樹

【流転する都市】
過去に学び、未来につなぐ地震学 / 武村雅之
関東大震災・墓地移転と公園墓地 / 北原糸子
帝都復興計画に期待した女性たち――都市計画と婦人運動の接近と別離 / 中川雄大
反復と伝承――一〇〇年前の災害を語りなおすために / 高原耕平

【創造と記憶】
惨事の見落とし――『風立ちぬ』の「不注意な主人公」について / 鷲谷花
「魔的なもの」の復活―荒俣宏『帝都物語』論 / 茂木謙之介
都市景観と歴史展示の多元性――ポスト・コロナの建築・デザイン史 / 天内大樹