この自由な世界と私たちの帰る場所

河野真太郎 著

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この自由な世界と私たちの帰る場所

定価1,980円(本体1,800円)

発売日2023年7月11日

ISBN978-4-7917-7562-0

「選択」の幻想という圧倒的な現実の前で。
感情の取り締まり(ポリシング)、トランス排除、宗教右派、エコロジー思想からポストトゥルースまで。故郷喪失者(エグザイル)としての私たちは、これからどこを目指すのか?
緻密な文芸批評にとどまらず、現実社会に対する透徹した思考に貫かれた論考群。

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[目次]



Ⅰ この自由な世界


第1章 機嫌の悪い女たち、機嫌の悪い男たち――ポストフェミニズムにおける感情の取り締まり(ポリシング)

第2章 ポストトゥルース、トランス排除と『マトリックス』の反革命――もしくは、ひとつしかない人生を選択することについて

補論 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』とマルチバースの「真実」

第3章 新自由主義、宗教右派、ロスジェネ――何が銃撃事件容疑者を生んだのか

第4章 鏡の中のフェイクと真実――『ドライブ・マイ・カー』における男性性とポストトゥルース

Ⅱ 私たちの帰る場所

第5章 ブラック・マウンテンズから中国山地へ――レイモンド・ウィリアムズと宮崎駿の「エコロジー」思想

第6章 The Return of the Native――『少女を埋める』と、少女が帰る場所

第7章 友だちの場所――ヴァージニア・ウルフ、村上春樹、エミール・ハンフリーズ


あとがき

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[著者]河野真太郎(こうの・しんたろう)
1974年、山口県生まれ。一橋大学法学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。専門はイギリス文学・文化ならびに新自由主義の文化と社会。一橋大学大学院商学研究科准教授などを経て、現在、専修大学国際コミュニケーション学部教授。著書に『〈田舎と都会〉の系譜学――二〇世紀イギリスと「文化」の地図』(ミネルヴァ書房、2013年)、『戦う姫、働く少女』(堀之内出版、2017年)、『新しい声を聞くぼくたち』(講談社、2022年)など、訳書にウェンディ・ブラウン『新自由主義の廃墟で』(人文書院、2022年)、アンジェラ・マクロビー『フェミニズムとレジリエンスの政治』(共訳、青土社、2022年)などがある。