抵抗する動物たち

-グローバル資本主義時代の種を超えた連帯-

サラット・コリング 著,井上太一 訳

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抵抗する動物たち

定価3,520円(本体3,200円)

発売日2023年2月20日

ISBN978-4-7917-7535-4

動物たちの〈声〉を聞く
なぜ動物たちは人間に抵抗するのか、いかに抵抗するのか、何のために抵抗するのか――これらの問いを分析することで、動物たちの抵抗を政治的・社会的文脈に位置付け、その背景にある構造的不正を明るみに出す。自由を求め人間社会の既成秩序を揺さぶる行為主体としての動物たちの声を聞く、ポスト・ヒューマン時代の動物論。

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[目次]

緒言
謝辞
序論

第一部  なぜ動物たちは抵抗するのか
第一章 動物の抵抗を想像する
動物たちの越境/動物たちの攪乱/政治的動物

第二章 動物抑圧の社会条件
動物の飼い馴らし/動物の植民地化/動物資本/動物事業と現代の暗黒郷/グローバルな畜産業と環境不正

第三章 動物たちの抵抗理由
自己防衛/愛と繫がり/復讐と憤慨/孤独と退屈/生きる意志

第二部  いかに動物たちは抵抗するのか
第四章 動物たちの社会的・政治的行為者性
動物の境界破り/動物の世界形成/動物の意図性/動物労働

第五章 動物の抵抗方法
脱走/動物解放/報復/日常的反抗

第六章 野生の中へ
境界線上の牛たち/野生の居所を見つける/野生化集団の形成と定着/危険な環境を生き抜く

第三部  何(の始まり)を求めて動物たちは抵抗するのか
第七章 動物の抵抗に対する人々の反応
個を目撃する/抵抗の過小評価/離れゆくよそ者たち/反逆者の商品化/動物たちの擁護

第八章 サンクチュアリ
動物サンクチュアリとは何か/サンクチュアリは動物たちに何をするか/サンクチュアリは世界のために何をするか/サンクチュアリでみられる動物の行為者性

第九章 成果と多種連帯
相互連結した闘争を認識する/脱搾取による脱植民地化/動物たちのための再野生化/動物の抵抗者たちに加勢する

結論
動物たちの行為者性はその抵抗において明瞭となる/今日の監視文化では脱走が見世物となる/動物の抵抗者たちは動物産業の遠隔化戦略を妨害する/動物の抵抗者たちは言説闘争の中心を占める/脱走した動物たちといまだ幽閉下の動物たちは等しく生きるに値する/動物の抵抗者たちとの連帯を示すことは動物解放の基盤をなす/動物解放は抑圧的な境界線の払拭を求める

訳者あとがき
出典
動物名・人名索引

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[著者]サラット・コリング(Sarat Colling
執筆家。動物の抵抗を主題とした論文「国境なき動物たち―ニューヨークにおける被畜産動物の抵抗(Animals without Borders: Farmed Animal Resistance in New York)」で批判的社会学の修士号を取得した後、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のホーンビーアイランド自然史センターでプログラム・ディレクターを務める。15 年以上にわたり様々なビーガン団体のボランティア業務に携わるかたわら、批判的動物研究の論集に寄稿を行なう。本書のほかに、著書としてChickpea Runs Away およびAnimali in Rivolta がある。
 

[訳者]井上太一(いのうえ たいち)
翻訳家・執筆家。人間中心主義を超えた倫理の発展ならびにビーガニズムの普及をめざし、関連書籍の翻訳と執筆活動に携わる。著書に『動物倫理の最前線』(人文書院、2022年)、訳書にデビッド・A・ナイバート『動物・人間・暴虐史』(新評論、2016 年)、ディネシュ・J・ワディウェル『現代思想からの動物論』(人文書院、2019 年)、トム・レーガン『動物の権利・人間の不正』(緑風出版、2022 年)などがある。