ハーケンクロイツの文化史

-シュリーマンの「再発見」からナチ、そして現在まで-

ローレンツ・イェーガー 著,長谷川晴生、藤崎剛人、今井宏昌 訳

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ハーケンクロイツの文化史

定価3,960円(本体3,600円)

発売日2022年12月26日

ISBN978-4-7917-7529-3

鉤十字がたどった数奇で呪われた歴史
シュリーマンにより再発見されたのち、世紀転換期の民族至上主義(フェルキッシュ)運動のなかで「アーリア人のしるし」と目され、ロシア革命後「反ボルシェヴィズム」という意味合いも付与された鉤十字。ナチのシンボルとなり、その後も物議を醸しつつ使用されていった。ブラヴァツキー夫人、リルケ、ブレヒト、ラヴクラフト、谷崎、法輪功まで、鉤十字に引きつけられた人々と彼らが付与した意味づけを紹介し、その軌跡をたどる。

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[目次]

第一章 本書の意図

第二章 シュリーマンと考古学者たち

第三章 アングロ・インドのスヴァスティカ―ブラヴァツキー夫人とラドヤード・キプリング

第四章 両性具有のスヴァスティカ――アルフレート・シューラーとルートヴィヒ・クラーゲス

第五章 鉤十字(ハーケンクロイツ)のある礼拝室――ミュゾットのリルケ

第六章 「猿族」への宣戦――ランツ・フォン・リーベンフェルス、ストリンドベリ、ヘルツマノフスキー=オルランドー

第七章 シュテファン・ゲオルゲとドイツの人文学

補論 ハンス・トーマについて

第八章 「永遠のドイツ人」――フランツ・ローゼンツヴァイクとヘルマン・ブルテ

第九章 ロシア皇帝一家の銃殺――アレクサンドラ・フョードロヴナの迷信とユダヤ人ボルシェヴィキ

第一〇章 武装せるシンボルⅠ――義勇軍とトゥーレ協会

第一一章 武装せるシンボルⅡ――ウンゲルン=シュテルンベルク男爵

第一二章 ゲーリング、ヒトラー、ローゼンベルク

第一三章 左翼によるカリカチュア化――ブレヒトからヴィルヘルム・ライヒ、カネッティまで

第一四章 アメリカのホロコースト――H・P・ラヴクラフト

第一五章 耽美に死す――谷崎潤一郎の長篇小説『卍』

第一六章 ドーリア的世界――ゴットフリート・ベンとユリウス・エヴォラ

第一七章 ヒト型スヴァスティカ――レオ・フロベニウスと「文化人類学者」ヴィルヘルム二世

第一八章 鉤十字(ハーケンクロイツ)の国旗化

第一九章 一九四五年以降――暴走族、歴史改変SF、ブリティッシュ・パンク、法輪功

 

謝辞
解説 「文化史」としてのハーケンクロイツ――ある西洋近代裏面精神史  長谷川晴生

索引

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[著者]ローレンツ・イェーガー(Lorenz Jäger)
1951年ドイツ生まれ。ジャーナリスト、批評家。1985年にフランクフルト大学にてドイツ文学の博士号を取得したのち、北海道大学、スタンフォード大学など複数の研究機関で講師や客員研究員を務める。1997年から2016年まで『フランクフルター・アルゲマイネ』紙学芸欄編集者。思想家の評伝や、ヨーロッパの精神史にまつわる著作を多く執筆。邦訳書に『アドルノ――政治的伝記』(岩波書店、2007)がある。

[訳者]長谷川晴生(はせがわ・はるお)
1984年生まれ。東京理科大学教養教育研究院非常勤講師。ドイツ文学、ドイツ思想を研究。共著書に北村紗衣編『共感覚から見えるもの』(勉誠出版、2016)、訳書にフォルカー・ヴァイス『ドイツの新右翼』(新泉社、2019)がある。

[訳者]藤崎剛人(ふじさき・まさと)
1982年生まれ。埼玉工業大学人間社会学部情報社会学科非常勤講師。カール・シュミットを中心とする公法思想史・政治思想史を研究。『ニューズウィーク日本版』にコラムを連載。訳書にラインハルト・メーリング『カール・シュミット入門』(書肆心水、2022)がある。

[訳者]今井宏昌(いまい・ひろまさ)
1987年生まれ。九州大学大学院人文科学研究院准教授。ドイツ現代史を研究。著書に『暴力の経験史』(法律文化社、2016)、訳書にジェフリー・ハーフ『ナチのプロパガンダとアラブ世界』(岩波書店、2013、共訳)がある。