現代思想2022年12月臨時増刊号 総特集=中井久夫

-1934-2022-

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現代思想2022年12月臨時増刊号 総特集=中井久夫

定価1,760円(本体1,600円)

発売日2022年11月26日

ISBN978-4-7917-1439-1

精神科医・中井久夫の広大な足跡をたどる
長きにわたり戦後日本の精神科医療の最前線に立ち続け、阪神・淡路大震災後のこころのケアに尽力するとともに、エッセイの名手にして詩の翻訳家としても知られる中井久夫。体系性を拒みつつも尽きせぬ豊饒な多面性にひらかれたその世界を一望する、追悼特集。

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【目次】

 

総特集*中井久夫――1934-2022

 

【討議I】
「こころ」を置き去りにしない社会へ――中井久夫が遺したもの / 加藤寛+最相葉月

【ある「知」の肖像】
追悼・中井久夫先生 / 山中康裕
中井さんは「神の国」へ行ったのか? / 上野千鶴子
周縁の媒介者=翻訳者 / 宮地尚子
中井久夫から学んだこと / 杉林稔
中井さんに「君はまだまだ勉強不足だね」と言ってもらえたら / 森川すいめい

【世界を診るまなざし】
リゾームではなくオリヅルラン――社会学者はなぜ中井久夫を読んできたのか / 大澤真幸
流動の臨床哲学――中井久夫の思想と臨床についての覚書 / 村澤和多里
予兆を制する予兆――中井久夫と臨床について / 檜垣立哉
中井久夫と回復のマイナー科学 / 山森裕毅

【討議Ⅱ】
文化と臨床――あるいは中井久夫の原理主義なき継承のために / 斎藤環+東畑開人

【資料】
中井久夫の「愛読者カード」――塚越敏『リルケとヴァレリー』青土社、一九九四年

【よりそいの作法を訪ねて】
臨床の臨界期、政治の臨界期――中井久夫について / 松本卓也
中井久夫の「方法への回帰」 / 江口重幸
中井久夫と依存症治療 / 松本俊彦
「回復の語彙」を探す――中井久夫と被災地の共同体感情 / 高原耕平
風景構成法――「風景になる」ということ / 牧瀬英幹

【歴史のなかの医療者】
精神科病棟の始末――中井久夫寛解過程論再訪 / 小泉義之
精神医学の危機と回復――医療人類学からみた中井久夫 / 北中淳子
治療の〈風景〉の構成――二〇世紀精神医療史の中の中井久夫 / 上尾真道
失われた抵抗を求めて――楡林達夫を読む / 美馬達哉

【ことばをめぐる旅路】
『私の日本語雑記』寸感 / 中村明
地中海への往診――中井久夫とヴァレリー / 伊藤亜紗