アイスランド 海の女の人類学

マーガレット・ウィルソン 著,向井和美 訳

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アイスランド 海の女の人類学

定価3,520円(本体3,200円)

発売日2022年10月25日

ISBN978-4-7917-7510-1

忘れられた女性たちの足跡をたどって
小さな島国に足を踏み入れた人類学者が見つけたのは、1700年代に活躍していた女性船長の記録だった。他にももっと海に出ていた女性がいたのではないかと現地の人に尋ねると多くの人は「いない」と答える……。
手漕ぎボートの時代から現代まで、丁寧に史料をひもとき、話を聞き、海に出ていた女性たちの声をすくいあげる。ジェンダー平等先進国であり、漁業が盛んなアイスランドのもうひとつの姿を描き出す、こころ揺さぶるエスノグラフィー。

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[目次]

謝辞
アイスランドの言語、名前、地名について

はじめに 漁を知る旅へ

第1章 瀬戸際で生き延びる――隠された歴史

第2章 血の中にあるもの――海の知識を受け継ぐ

第3章 なぜ海の女たちがいなくなり、老婆とトロルと売春婦が増えたのか

第4章 忍耐――なぜ女性たちは今も海に行くのか

第5章 海の呼び声――それに応える海の女たちの仕事

第6章 生きかたのバランス――船という社会

第7章 金を払って星を見る――新たな生き残り策
 

付録A 歴史上の海の女たち
付録B 漁師として登録している女性の年齢(2007年〜2011年)
付録C 女性漁師の数(1998年〜2011年)

訳者あとがき
解説 松本涼

原注
参考文献

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[著者]マーガレット・ウィルソン Margaret Willson
ワシントン大学、人類学科・スカンディナヴィア学科兼任准教授。近年は小さなコミュニティ、ジェンダーを主軸として北極圏や北欧の調査を行っている。単著に、本書とDance Lest We All Fall Down: Breaking Cycles of Poverty in Brazil and Beyond(University of Washington Press 2010)がある。本書はワシントン州ノンフィクション大賞2017の最終選考作。

[訳者]向井和美(むかい・かずみ)
翻訳家。早稲田大学第一文学部卒業。著書に『読書会という幸福』(岩波新書)、訳書に『プリズン・ブック・クラブ』、『100の思考実験』、『アウシュヴィッツの歯科医』(以上、紀伊國屋書店)、『内向的な人こそ強い人』(新潮社)、『哲学の女王たち』(晶文社)などがある。