伽羅を焚く

竹西寛子 著

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伽羅を焚く

定価2,420円(本体2,200円)

発売日2022年8月26日

ISBN978-4-7917-6978-0

明けても暮れても目に見えない靄の中を動いているような日々――梅雨の晴れ間のゼラニュウムの緋。
広島の被爆者としての、国策への懐疑、不満、さらには怒り。
編集者、作家として、93年の生涯をかけて「言葉」に関わってきた著者が、為政者の口説に失望をしながら、それでも書き留め続けた渾身のエッセイ集。

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[目次]

岸を離れる
靄の中
うわのそら
かなしいという言葉
「まどうてくれ」
同心円
伽羅を焚く
靄は晴れなくても
春の嵐
「やさしい古典案内」のこと
明晰の救い
今年の夏
運と縁
夜明けの空から
文芸評論家の死
忘れようのない日
うたの生まれる時
青梅のこと
書店の歴史
花の時に
言葉と酒 「父 吉田健一」を読む
再び忘れようのない日に
秋立つ
沈黙のためにではなく
存在感について
小さなお煎餅の話
情の監視
風に吹かれて
「あいまいな物言い」について
櫻散る日に
今年の新茶
為政者の言葉
私の平成二十七年(二〇一五)八月
二通の手紙
物語は物語のように
「儀式」に始まる
言葉と歩く
この現実

あとがき

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[著者] 竹西寛子(たけにし・ひろこ)

1929年、広島県生まれ。早稲田大学文学部卒業。『管絃祭』で女流文学賞、『兵隊宿』で川端康成文学賞、『山川登美子』で毎日芸術賞、『贈答のうた』で野間文芸賞受賞。1994年日本芸術院賞受賞、同年より日本芸術院会員。

主な著書に『竹西寛子著作集』(新潮社)、『自選竹西寛子随想集』(岩波書店)、『陸は海より悲しきものを』(筑摩書房)、自選短篇集『蘭』(集英社)、『五十鈴川の鴨』(幻戯書房)、『哀愁の音色』『虚空の妙音』『「いとおしい」という言葉』『望郷』『一瞬の到来』(いずれも青土社)ほか多数。