非暴力の力

ジュディス・バトラー 著,佐藤嘉幸、清水知子 訳

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非暴力の力

定価2,640円(本体2,400円)

発売日2022年8月16日

ISBN978-4-7917-7486-9

暴力とは何か。
暴力を正当化する「自己防衛」、その「自己」の意味を徹底的に問い直し、人間が根本的に、他者や非人間を含む環境と相互依存していることを明らかにする。私たちは個人主義の罠を超えて、どのように連帯することができるのか。常に現代の諸現象を鋭く分析し、精神の最深部に訴えかけ続けてきた著者が示す、戦争とレイシズムの時代における非暴力のマニフェスト。

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[目次]
 

謝辞

序章

第一章 非暴力、哀悼可能性、個人主義批判

第二章 他者の生を保存すること

第三章 非暴力の倫理と政治

第四章 フロイトにおける政治哲学——戦争、破壊、躁病、批判的能力

終章 可傷性、暴力、抵抗を再考する
 

原註
訳者解説 戦争とレイシズムの時代における非暴力のマニフェスト(佐藤嘉幸)
人名索引

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[著者]ジュディス・バトラー(Judith Butler)

カリフォルニア大学バークレー校大学院特別教授。主な著書に『ジェンダー・トラブル――フェミニズムとアイデンティティの攪乱』(竹村和子訳、青土社)、『問題=物質(マター)となる身体――「セックス」の言説的境界について』(佐藤嘉幸監訳、竹村和子・越智博美ほか訳、以文社)、『触発する言葉――言語・権力・行為体』(竹村和子訳、岩波書店)、『権力の心的な生――主体化=服従化に関する諸理論』(佐藤嘉幸・清水知子訳、月曜社)、『アンティゴネーの主張――問い直される親族関係』(竹村和子訳、青土社)、『生のあやうさ――哀悼と暴力の政治学』(本橋哲也訳、以文社)、『自分自身を説明すること――倫理的暴力の批判』(佐藤嘉幸・清水知子訳、月曜社)、『戦争の枠組――生はいつ嘆きうるものであるのか』(清水晶子訳、筑摩書房)、『分かれ道――ユダヤ性とシオニズム批判』(大橋洋一・岸まどか訳、青土社)、『アセンブリ――行為遂行性・複数性・政治』(佐藤嘉幸・清水知子訳、青土社)など。

 

[訳者]佐藤嘉幸(さとう・よしゆき)

京都府生まれ。筑波大学人文社会系准教授。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。パリ第10大学博士号(哲学)取得。専門は哲学、思想史。著書に『権力と抵抗――フーコー・ドゥルーズ・デリダ・アルチュセール』(人文書院)、『新自由主義と権力――フーコーから現在性の哲学へ』(人文書院)、『脱原発の哲学』(田口卓臣との共著、人文書院)、『三つの革命――ドゥルーズ=ガタリの政治哲学』(廣瀬純との共著、講談社選書メチエ)、『ミシェル・フーコー『コレージュ・ド・フランス講義』を読む』(共編著、水声社)、Power and Resistance: Foucault, Deleuze, Derrida, Althusser (Verso)など。訳書にミシェル・フーコー『ユートピア的身体/ヘテロトピア』(水声社)、アントニオ・ネグリ+マイケル・ハート『アセンブリ――新たな民主主義の編成』(共訳、岩波書店)など。

[訳者]清水知子(しみず・ともこ)

愛知県生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授。筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科修了。博士(文学)。専門は文化理論、メディア文化論。著書に『文化と暴力――揺曳するユニオンジャック』(月曜社)、『ディズニーと動物――王国の魔法をとく』(筑摩選書)、『21世紀の哲学をひらく――現代思想の最前線への招待』(共著、ミネルヴァ書房)、『芸術と労働』(共著、水声社)、『コミュニケーション資本主義と〈コモン〉の探求――ポスト・ヒューマン時代のメディア論』(共著、東京大学出版会)など。訳書にデイヴィッド・ライアン『9・11以後の監視』(明石書店)、アントニオ・ネグリ+マイケル・ハート『叛逆――マルチチュードの民主主義宣言』(共訳、NHKブックス)など。