ブラックボックス化する社会

-金融と情報を支配する隠されたアルゴリズム-

フランク・パスカーレ 著,田畑暁生 訳

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ブラックボックス化する社会

定価3,080円(本体2,800円)

発売日2022年6月27日

ISBN978-4-7917-7483-8

アマゾン、グーグル、ツイッター、フェイスブック、ユーチューブの「企業秘密」
私たちの検索履歴は、知らず知らずのうちに、ビッグデータとして吸い上げられている。そして秘密のアルゴリズムにより、そのデータから巨万の富を得るグローバル産業が存在する――。金融業と情報産業にかけられた「企業秘密」というヴェールを剥ぎ取る時が来た。透明性が高く、公平性のある、私たちのためのインターネットのあり方とは何か。

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[目次]
 

第1章 序――知る必要性
秘密の持つ力 評判、検索、金融 秘密と複雑性 ソフトウェアの秘密の判断
マジックミラー 「ビジネスにおける秘密」と「秘密のビジネス」 振り返る
本書の構成 自己予防的予言


第2章 評判がデジタルで広まるデータ暴走時代
データから、データを超えて プロフィールの暴走 ビッグデータが働く
人種偏見の亡霊 監視国家の誕生 「国家」と「市場」の融合
全脅威、全危険、全情報? うち続く不透明性 出口なし
「十分な開示(フル・ディスクロージャー)」の未来
 

第3章 検索の隠れた論理
検索と透明性 検索、信頼、競争 検索と競争 検索とコントロール
コンテンツ、通信、検索——「コーペティション」の出現 
デジタル・ニューディールに向けて 
 

第4章 金融のアルゴリズム――皇帝の新しいコード
初期の警告サイン 機械の夢 サブプライムアート部門 
統計の正統性——格付け機関の失敗 社内で異論を黙らせる 
リスクと規制 戦略的なずさんさ 嘘とリボー〔ロンドン銀行間取引金利〕
自分の(そして他人の)妄想を説明する リスクと忠誠 高頻度取引の社会的価値の低さ コンピュータ化される市場
マーチンゲールの警告 ブラックスワンか、ブラックボックスか? 貨幣、情報、権力
 

第5章 観察者を観察する(そして改良する)
誰がいつ、何を、なぜ、非開示にしているのか? プライバシーという虚構
より十分な開示——公正なデータ実践に向けて 合法的なデータ利用 
スパイ・ファイル 「透明な市民」vs「不透明な政府/企業装置」 条件付き透明性 
修正第一条というワイルドカード 「金融のCIA」 金融規制が信頼を失う
「大き過ぎて潰せない」が「貧し過ぎて規制できない」と出会う 
医療詐欺対策からの教訓 企業NSA デジタル時代の「怪しい肉」
 

第6章 知的な社会に向けて
ブラックボックス社会 なされたことがなぜ少ないのか? 政府とビジネスの接近
公的オルタナティブの公約 信頼回復 ブラックボックスの限界——ハイエク的視点
ブラックボックス・エンドゲーム 知的な社会に向けて 


原註
訳註
謝辞
訳者あとがき
索引

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[著者]フランク・パスカーレ(Frank Pasquale)

ブルックリンロースクール教授。人工知能やアルゴリズムにかんする法律を専門とする。著書に本書のほか、New Laws of Robotics: Defending Human Expertise in the Age of AI(Belknap Press: An Imprint of Harvard University Press)がある。

 

[訳者]田畑暁生(たばた・あけお)

神戸大学人間発達環境学研究科教授。専攻は社会情報学。著書に『情報社会論の展開』『「平成の大合併」と地域情報化政策』(以上、北樹出版)、『メディア・シンドロームと夢野久作の世界』(NTT出版)、『風嫌い』(鳥影社)など。訳書にデイヴィッド・ライアン『膨張する監視社会』『監視文化の誕生』(以上、青土社)、マイケル・バックランド『新・情報学入門』(日本評論社)など多数。