ユリイカ2022年3月臨時増刊号 総特集=瀬戸内寂聴

-1922-2021-

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ユリイカ2022年3月臨時増刊号 総特集=瀬戸内寂聴

定価1,870円(本体1,700円)

発売日2022年2月14日

ISBN978-4-7917-0413-2

生誕100年記念特集
2021年、惜しくも99歳で逝去した瀬戸内寂聴が生誕100年を迎える。60年以上におよぶ作家としてのキャリアと1973年に得度してから50年近くとなる仏教者としての信心が生み出した400冊を超える著作がいま残された。その奥の院に一歩でも踏みこむための第一歩。

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【目次】

総特集*瀬戸内寂聴――1922−2021

 

■インタビュー
五〇年の名残り / 横尾忠則 聞き手=尾崎真理子

■再録
瀬戸内寂聴拾遺抄 田辺聖子さんのおっちゃん/わが戦友/古事記私的体験 / 瀬戸内寂聴

■九九年の人生
瀬戸内寂聴さんの読書 / 竹西寛子
小春日や無頼出離者大往生――俳人瀬戸内寂聴さんのこと / 黒田杏子

■瀬戸内寂聴の文学
寂聴の苦闘、浄福の到来 / 佐藤 泉
場所――死者と生者と / 雑賀恵子
おしっことお風呂――瀬戸内寂聴における身体空間 / 髙村峰生

■愛した、書いた、祈った
愛して死に、そして生きる / 中上 紀
ぶっちぎれ、寂聴――好きが極楽、キライが地獄 / 栗原 康

■乱調と諧調
テロルのヒロイン――瀬戸内寂聴が奏でるノイズへの共鳴 / 内藤千珠子
瀬戸内寂聴の評伝・伝記小説に見るフェミニズム / 水溜真由美
瀬戸内寂聴のアナキズム / 森 元斎

■「出離者は寂なるか、梵音を聴く」
瀬戸内寂聴さんの出家 / 杉谷義純
師弟が紡いだ四年間――東光と寂聴 / 矢野隆司

■庵主の物語
仏教者 瀬戸内寂聴 / 碧海寿広
恋と革命と生命の輝き――瀬戸内寂聴のホーリズム / 中西恭子
「黒い蝶」の物語 / 金子亜由美

■生きながら死ぬことを生ききる
「家を出」て「身を世にさらし」たひと / 上野千鶴子
聖にあって俗、俗にあって聖――寂聴さんと仏教と / 青木 保

■『源氏物語』まんだら
女たちの『源氏物語』 / 木村朗子
瀬戸内寂聴訳『源氏物語』の生成 / 高木和子
モダニズム小説としての寂聴『女人源氏物語』 / 森山 恵・毬矢まりえ
作中人物の口を開かせる――『女人源氏物語』の方法 / 中村ともえ

■寂聴精華
ある真夜中に――この世もあの世も愛で満ち溢れている / 千原英喜
春よりも秋に萌え出る文士たち――『萌』賛 / 山田兼士

■瀬戸内晴美の時代
同人誌時代の瀬戸内晴美――『文学者』『Z』と小田仁二郎 / 小平麻衣子
消費されることと捉え返すこと――瀬戸内晴美はどう語られてきたか / 井原あや
閉塞する心――「第三の新人」と瀬戸内晴美 / 金岡直子
三谷晴美とぱーぷる――少女小説家としての瀬戸内寂聴 / 嵯峨景子

■「女流作家」から遠く離れて
たかが娼婦性なんてもの――「花芯」の罠と「夏の終り」の毒を読む / 鈴木涼美
瀬戸内寂聴のこと / 阿部浪子

■私小説と制度=批判
批判としての小説――瀬戸内寂聴『夏の終り』 / 渡邊英理
文学の毒――平野謙と瀬戸内晴美 / 中島一夫
私小説リアリズムと模作――瀬戸内晴美と小田仁二郎 / 梶尾文武
とらえ損ねた撩乱――瀬戸内寂聴と岡本かの子 / 住本麻子

■生誕一〇〇年に向かって
瀬戸内晴美=寂聴主要作品解題 / 竹内紀子

 

装幀=水戸部 功