ユリイカ2022年1月号 特集=柳家小三治

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ユリイカ2022年1月号 特集=柳家小三治

定価1,760円(本体1,600円)

発売日2021年12月27日

ISBN978-4-7917-0411-8

名人追悼——
柳家小三治とは俗世を相わたる高座の輪郭そのものであった。衒う必要はどこにもなく、枕を聞くままにいつしか高座に巻き起こる空気の蠢動に目を向けていればそこに落語の淵は開けていた……。柳家小三治死去、芸能は無形であるとは文化財のいうところである。江戸落語とはなにか、幾度となく問い返しながら小三治の佇まいを偲ぶ。
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【目次】

特集*柳家小三治

 

❖十代目柳家小三治追善
小三治のこと / 三遊亭圓窓

❖対談
小三治とその時代 / 矢野誠一 高田文夫

❖江戸・東京・落語
柳家小三治の代々と十代目小三治 / 今岡謙太郎
柳家小三治と落語速記本 / 清水康行
三題噺――「小三治」「江戸落語」「脱構築」 / 宮信明
上方からみる小三治 / 中川桂

❖旅のあとさき
郡上八幡に咲いた落語の華(はな) / 古池五十鈴
秀才小三治さんが笑えなかった……逸才創作家の話 / 上田美佐子

❖インタビュー〈1〉
月の芸人 / 春風亭小朝 聞き手・構成=和田尚久

❖小三治試論
小三治の手札 / 和田尚久
私が知っている柳家小三治 / 石井徹也
おしゃべりな小三治――柳家の美学について / 鈴木亘
小三治を読む / 頭木弘樹

❖うたかたのおはなし
小三治さんとの十年 / 小林聡美
村の景色 / いしいしんじ
小三治の思い出 / 雲田はるこ

❖インタビュー〈2〉
小三治師匠の稽古 / 柳家花緑 聞き手=編集部

❖肚をこじ開ける
心を心にする / 古今亭文菊
世界一面白いおじいさんが私の心に残したもの / 柳亭こみち

❖小三治を/が演じる
小三治落語の劇空間 / 黒田絵美子
声と音の芸能史――「小沢昭一的小三治」 / 鈴木聖子
鸚鵡返しの教え / 中田健太郎
指揮と指南――十代目柳家小三治における了見と演劇性 / 大岩雄典

❖昼夜のこと
肩 / ナツノカモ
褒められるのは怖いこと――句会の一夜 / 矢内裕子

❖落語家は消え、落語は消えない
「直観」とは、「了見になる」ことである / 中村昇
柳家小三治のハビトゥス / 山内志朗
落語鑑賞にはどのような想像が必要か / 源河亨
芸は人なり L'art est l'homme même――小三治の消失をめぐる美学的考察 / 櫻井一成

❖小三治を聴く
柳家小三治レコード入門指南 / 伊藤一樹

 

❖忘れられぬ人々*3
故旧哀傷・遠藤麟一朗(三) / 中村稔

❖物語を食べる*12
奴隷化、いじめの政治学へ / 赤坂憲雄

❖詩
静かな場所へ / 中村稔
ハンバーガー屋と礼拝所の交差点を曲がりながら / 千種創一

❖ユリイカの新人
逐電 / 鎌田尚美

❖われ発見せり
人の終わりがそうならいいのに / 西藤定

 

表紙・目次・扉=北岡誠吾
表紙・特集扉写真=橘蓮二