アニメの輪郭

-主題・作家・手法をめぐって-

藤津亮太 著

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アニメの輪郭

定価1,980円(本体1,800円)

発売日2021年10月12日

ISBN978-4-7917-7417-3

フレームに浮かび上がるアニメのかたち
『白雪姫』『サザエさん』『うる星やつら』『鋼の錬金術師』『輪るピングドラム』『パプリカ』『精霊の守り人』『シン・エヴァンゲリオン』……。
アニメの描いてきたもの、描かなかったものを縦横無尽に描き出し、「アニメ」に映し出されるアニメ性を明らかにする、画期的評論。

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[目次]

はじめに 『アニメの輪郭』について

視点I そこに何が描かれていたか 時代・主題をめぐって

アニメに適さない題材、ファンタジー
――『白雪姫』『三匹の子ぶた』『まんが日本昔ばなし』『アルプスの少女ハイジ』『機動戦士ガンダム』『新世紀エヴァンゲリオン』『ライオンと魔女』

不可視の世界/五感の世界
――『精霊の守り人』『指輪物語』『ロード・オブ・ザ・リング』『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』『王立宇宙軍 オネアミスの翼』『機動戦士ガンダム』

テレビアニメが教えてくれた世界の名作
――『アルプスの少女ハイジ』『家なき子レミ』『フランダースの犬』『赤毛のアン』

日本のアニメは家族をどう描いてきたか
――『サザエさん』『ど根性ガエル』『魔法の天使クリィミーマミ』『おジャ魔女どれみ』『機動戦士ガンダム』『機動戦士ガンダムF91』『機巧奇傳ヒヲウ戦記』『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』

セカイ系と非セカイ系の狭間で
――『プラネテス』

終わりの中で生きてゆく倫理
――『少女終末旅行』『優しく雨ぞ降りしきる』『ポストマン』『地球の長い午後』『ヨコハマ買い出し紀行』『渚にて』

価値観の相対性を描く
――『スター☆トゥインクルプリキュア』『最初の接触』『あなたの人生の物語』『太陽の簒奪者』

 

視点Ⅱ それは誰が描いたものなのか 監督・演出をめぐって

アニメーションにおける「演出」とは
――『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』『機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者』

岡田麿里、アニメーション監督は誰でもできるのか
――『さよならの朝に約束の花をかざろう』『true tears』『風を見た少年』

「社会派」としての幾原邦彦
――『輪るピングドラム』『ベルサイユのばら』『少女革命ウテナ』『ユリ熊嵐』

今 敏の明晰な自意識
――『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』『PERFECT BLUE』

菅野よう子、「最も身近な批評」と呼ばれる音楽
――『COWBOY BEBOP』『マクロスプラス』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』『∀ガンダム』『ブレンパワード』

庵野秀明の第二章、そしてシン・章へ
――『キューティーハニー』『ラブ&ポップ』『新世紀エヴァンゲリオン』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『シン・ゴジラ』

光は色、色は光、押井守の描き出す世界
――『うる星やつら』『ミニパト』『イノセンス』『機動警察パトレイバー2 the Movie』『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』

 

視点Ⅲ それはどのように描かれたものなのか アニメ・漫画・実写の界面をめぐって

記号と身体と内面
――『トーキング・ヘッド』『男子高校生の日常』『STAND BY MEドラえもん』『ルパン三世』

三次元化するキャラクター
――『ピンポン』『宇宙戦艦ヤマト』『ルパン三世』『ガッチャマン』『CASSHERN』『妖怪人間ベム』『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』『寄生獣』『釣りバカ日誌』『ミナミの帝王』『僕は友達が少ない』『SPACE BATTLESHIP ヤマト』『のだめカンタービレ』『ヤッターマン』

漫画がアニメになるとき
――『鉄腕アトム』『鋼の錬金術師』『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』『西遊記』『さすがの猿飛』『キャプテンハーロック』『ドラゴンボール』

漫画とアニメの距離
――『うしおととら』

『昭和元禄落語心中』が描いた「音」の官能性
――『昭和元禄落語心中』

あのころ僕らは友引高校に通いたかった
――『うる星やつら』『勝手なやつら』

 

おわりに

 

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[著者]藤津亮太(ふじつ・りょうた)

1968年生まれ。アニメ評論家。新聞記者、週刊誌編集者を経て、フリーのライターとなる。アニメ・漫画雑誌などに文章を多数執筆。
著書に『アニメと戦争』(日本評論社)、『プロフェッショナル13人が語る わたしの声優道』(河出書房新社)、『ぼくらがアニメを見る理由』(フィルムアート社)などがある。東京工芸大学非常勤講師。