日本大学の研究

-歴史から経営・教育理念、そして卒業生まで-

橘木俊詔 著

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日本大学の研究

定価1,980円(本体1,800円)

発売日2021年9月24日

ISBN978-4-7917-7418-0

日本一になった原動力とはなにか——。
国内最大の学生数をほこり、旧制大学として長い伝統を持つ日本大学。戦前・戦後・現在へと続くその軌跡から、教育方針と経営理念の特徴を探り、時代の節目における改革の実態、そして多彩な人材をいまなお輩出し続ける理由を、異色の経済学者がその独自のまなざしで明らかにする。画期的な書。

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[目次]

はしがき

第Ⅰ部 創立と思想――戦前

第1章 創設当初と発展に尽くした人々
1 学祖・山田顕義の功績と日本法律学校
山田顕義の前半生――軍人として/山田顕義の後半生――法曹の人として/法典論争/日本法律学校の設立
2 設立当初の学校の幹部
金子堅太郎/松岡康毅/平沼騏一郎/山岡萬之助

第2章 総合大学へ、マンモス大学へ
総合大学への道/宗教科の新設/社会科/高等工学校/芸術科/歯学科/医学科/女子学生の入学/規模拡大路線――マンモス大学への道/夜間部の廃止/左翼と右翼の対立/学生生活と就職状況/スポーツの日大/創立五〇周年記念事業/財務管理

第Ⅱ部 新生、闘争、そして変革――戦後

第3章 新制大学へ――太平洋戦争前後の推移
新制大学の誕生/三島予科と郡山工科の創設/異端の芸術学科の輝き/小林桂樹と三木のり平/フジヤマのトビウオ/戦後の興隆期(1)/戦後の興隆期(2)/永田総長の就任と古田会頭の就任

第4章 日大闘争
闘争の前兆/闘争の発端と推移/鈴木勝新総長の誕生/東大闘争の推移/日大闘争と東大闘争の比較/日大闘争後の大学の積極策/人口研究所/日大闘争後の学生生活/創立百周年記念事業

第5章 高学歴大衆社会における日本大学
大学大衆化への道/なぜ私立大学に頼ったのか/私学助成金の導入/鈴木・高梨体制の改革/新学部の創設/鈴木体制の評価/東大時代の木村秀政/日大時代の木村秀政

第Ⅲ部 現在と特色――日本大学のいまと未来

第6章 日本大学の現在
総長と新学部/田中英壽理事長と加藤直人学長/ごく最近の動向/入学する学生の学力/日本大学の特徴/研究で日本大学を評価すると/内生率について/卒業生の活躍振り/警察官・消防官と俳優、映画監督/有名な卒業生――河本敏夫と天野篤

第7章 スポーツの日本大学
戦前のスポーツ/戦後のスポーツ/日大闘争後のスポーツ――個人競技に強い日本大学/輪島大士/倉本昌弘、丸山茂樹/アメリカンフットボール(フェニックス)と篠竹幹夫監督/悪質タックル事件/硬式野球部/ラグビー部/個人競技の戦績/二〇一九年度の戦績、まとめ

第8章 ユニークで多士済々の人材を生んだ芸術学部
ユニークな芸術学部/各学科の寸評/「日藝賞」/白川義員/林真理子/吉本ばなな/三谷幸喜/爆笑問題/青山剛昌/松井龍哉/三宅由佳莉/芸術学部のまとめ

おわりに
参考文献

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[著者]橘木俊詔(たちばなき・としあき)

1943年兵庫県生まれ。京都大学名誉教授。京都女子大学客員教授。小樽商科大学商学部卒業。大阪大学大学院修士課程修了。ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。フランス、アメリカ、イギリス、ドイツでの研究職・教育職、京都大学教授、同志社大学教授などを歴任。元日本経済学会会長。専門は労働経済学。著書に『女女格差』、『日本人と経済』(いずれも東洋経済新報社)、『日本の教育格差』(岩波新書)、『「幸せ」の経済学』(岩波書店)、『愛と経済のバトルロイヤル』(佐伯順子氏との共著)、『老老格差』、『中年格差』(いずれも青土社)など多数。