現代思想2021年9月号 特集=〈恋愛〉の現在

-変わりゆく親密さのかたち-

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現代思想2021年9月号 特集=〈恋愛〉の現在

定価1,760円(本体1,600円)

発売日2021年8月27日

ISBN978-4-7917-1418-6

「恋愛」はいま、どうなっているのか――恋愛研究の最前線
ライフコースの多様化を背景に、必ずしも結婚を中心としない視座から恋愛を捉える重要性が増しつつある。しかし同時にこの「恋愛」という概念自体もまた、根本的な問い直しを迫られているのではないだろうか。本特集ではポリアモリーやアセクシュアル/アロマンティックを含め、異性愛中心的な「恋愛」の規範が排除してきたさまざまなありように目を向けつつ、その「現在」を多角的に検討したい。

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【目次】


特集*〈恋愛〉の現在――変わりゆく親密さのかたち​

 

【討議】
これからの恋愛の社会学のために / 高橋幸+永田夏来

【エッセイ】
もう誰かと恋愛することはないと思うけれど――〝恋愛以外〟のことで考えてみる「恋愛とは何か」問題 / 清田隆之
恋を語る言葉 / 石井ゆかり

【何が語られてこなかったのか】
恋愛からの疎外、恋愛への疎外――同性愛者の問題経験にみるもう一つの生きづらさ / 島袋海理
恋愛的/性的惹かれをめぐる語りにくさの多層性――「男」「女」を自認しない人々の語りを中心に / 武内今日子
ポリアモリーという性愛と文化――愛をいかに自由に実践するか / 深海菊絵
クワロマンティック宣言――「恋愛的魅力」は意味をなさない! / 中村香住
アセクシュアル/アロマンティックな多重見当識=複数的指向――仲谷鳰『やがて君になる』における「する」と「見る」の破れ目から / 松浦優

【〈ありふれた物語〉のゆくえ】
一九八〇年代、『non-no』の恋愛文化――現在を対象化するために / 木村絵里子
ロマンティックラブ・イデオロギーというゾンビ / 谷本奈穂
「愛─性─結婚」の現在地――子どもによって繋ぎ止められる日本のカップル / 大森美佐
「逃げ恥」に観るポストフェミニズムーー結婚/コンフルエント・ラブ/パートナーシップという幻想 / 菊地夏野

【そこでは何が起こっているのか】
ゴースティング試論――CMC空間の恋愛をめぐる一考察 / 中森弘樹
メンヘラ少女たちのオートセオリーのために / 菊池美名子
不安定な自己を叙述する――異性愛関係に引き寄せられる男性のライフストーリー分析 / 西井開
「家父長制ボイコット」としての非恋愛――韓国社会の変化と若者の恋愛 / 柳采延

【描き出され、読み解かれるもの】
二一世紀のラブソングーー現代日本ポップソングの恋愛表象についての一考察 / 中條千晴
映像メディアにおける同性愛表象の現在 / 河野真理江
恋愛を「みせる」こと――恋愛リアリティショーにおけるカップル主義のゆくえ / 田島悠来
ラブコメの倫理と資本主義の精神 / 日高利泰

【未完の〈恋愛論〉】
ジェンダー平等な恋愛に向けて――大澤真幸の言う「恋愛」はなぜ「不可能」なのかの考察から / 高橋幸

 

連載●科学者の散歩道●第七九回
科学者の生きがいとは――湯川秀樹没後四〇年 / 佐藤文隆

連載●「戦後知」の超克●第一三回
柄谷行人における「日本」の問いかた 中・2――その「起源」と「構造」 / 成田龍一

連載●ポスト・ヒューマニティーズへの百年●第一九回
バディウとニヒリズムの問題――ブラシエ(3)/ 浅沼光樹

連載●タイミングの社会学●第一〇回
レジリエンス 中――〈貧困・時間・疲れ〉の連なりへ / 石岡丈昇


【研究手帖】
ローマ帝国に生きるギリシア都市を追って / 増永理考