現代思想2021年6月号 特集=いまなぜポストモダンか

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現代思想2021年6月号 特集=いまなぜポストモダンか

定価1,870円(本体1,700円)

発売日2021年5月27日

ISBN978-4-7917-1415-5

現代思想といえばポストモダンだった時代があった
かつての最先端の思想が時とともに通俗化し、アカデミズムの外で詭弁の道具として悪用されるようになった。意図しなかった帰結を前にポストモダンとは何だったのかがあらためて問われている。
単なる批判に終始するのではなく、私たちはポストモダンに未知の可能性を見出しうるのだろうか。

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【目次】

 

特集*いまなぜポストモダンか


 

【討議】
フラット化する時代に思考する――ポストモダン思想再考 / 大橋完太郎+千葉雅也+宮﨑裕助

【アルファにしてオメガ、リオタール】
ポストモダンの幼年期――あるいは瞬間を救うこと / 星野太
リオタール『ポスト・モダンの条件』再読 / 檜垣立哉
崇高な環境の大きな物語 / 小泉義之
わたしたちの後のリオタール / Y ・ホイ(訳・解題=小泉空)

【ポストモダン以降のポストモダン】
ガブリエルとポストモダン――ボゴジアン『知への恐れ』評に寄せて / 浅沼光樹
擬死的アディクション――現代実在論と東浩紀の(非)ポストモダニズムの関係について / 仲山ひふみ
ポストモダン右翼は哲学の夢をみるか?――アレクサンドル・ドゥーギンの理論と実践 / 乗松亨平

【遊泳する時代の証言者】
ポストモダニズム再訪――フレドリック・ジェイムソンへのインタビュー /F・ジェイムソン(聞き手=N・ボーンバッハ+D・R・ヤング+G・ユエ / 訳・解題=中村徳仁)
フレドリック・ジェイムソンの種子――『ポストモダニズム』を読むための覚書 / 白江幸司

【〈日本のポストモダン〉再訪】
八〇年代ポスト・モダニズム再読――バブルと批評 / 佐藤泉
柄谷行人とポスト・モダン――終わらせることと終わらせないこと / 山田広昭
「日本のポストモダニティ」およびその比喩形象(フィギュール)としての『AKIRA』 / 石岡良治
ポストモダン建築とは何だったのか――ポストモダニズム以前、ポストモダニズム以後 / 門脇耕三

【誰が〈ポストモダン〉の思想家か】
普遍とうまくつきあうために――フランス現代哲学から見た「ポストモダン」 / 宇佐美達朗
黙示なき破局の寓話――核時代の脱構築 / 郷原佳以
ポストモダンという毒/薬あるいはサプリメントの略歴――今日、ジャック・デリダを支点として / 小川歩人
メデューサはどこに消えたのか――「エクリチュール・フェミニン」と「ポストモダン」 / 横田祐美子

【歴史と政治の鏡】
歴史学とポストモダン / 長谷川貴彦
信じて、疑え――ポストモダニズムと非基礎づけ主義 / 小田川大典

【ポストモダンの縁暈】
表象の自己贖罪――アドルノ美学とポストモダニズムの接点 / 竹峰義和
レヴィナスの〈ポストモダン〉的読解とその隘路 / 渡名喜庸哲
「ポストモダン」哲学からポストコロニアル理論へ――歴史の余白についての問い /須納瀬淳

 

【連載●科学者の散歩道●第七八回】
学校教育に「未来」を――物理教科とICT技術 / 佐藤文隆

【連載●「戦後知」の超克●第一〇回】
鶴見俊輔の「期待」と「回想」下 / 成田龍一

【連載●タイミングの社会学●第八回】
共同生活 下――身体を変える/生活を変える / 石岡丈昇

 

【研究手帖】
失業者カテゴリーが開く可視/不可視 西田尚輝