定価3,080円(本体2,800円)
発売日2021年4月14日
ISBN978-4-7917-1413-1
日本精神史の深層へ。多角的、広角的な視野からその本質へと迫る。
列島の古層にある信仰により近いように思われる陰陽道と修験道はいったいどのように形成され、そして後世にどのようなかたちで受け継がれているのか。日本の宗教・信仰を広い視野のなかで思考しつつ、陰陽道と修験道を架橋しながら、さまざまな日本の思想とのかかわりを考える。これまでにない陰陽道・修験道の決定版。
『現代思想』2021年5月臨時増刊号「陰陽道・修験道を考える」特集の表紙および目次に誤植がございました。
誤「天田顕憲」
正「天田顕徳」
お詫びの上、訂正いたします。
【目次】
【討議1】
赤澤春彦×梅田千尋×斎藤英喜×細井浩志 陰陽道研究の現在とこれから
【討議2】
鈴木正崇×長谷川賢二×林淳 修験道とは何か――研究史と展望
【陰陽道を考える】
斎藤英喜 異貌の〈日本宗教史〉をもとめて――折口信夫・陰陽道・いざなぎ流
山下克明 古代・中世の陰陽師
細井浩志 「新しい安倍晴明像」の始まり
赤澤春彦 陰陽道の中世的展開
梅田千尋 近世宗教史における陰陽道――陰陽道の拡散と忘却
【陰陽道研究の可能性】
小松和彦 いざなぎ流の陰陽道的側面――すそ・式王子・五方を中心に
小池淳一 「簠簋」とは何か――陰陽道の由来と行方
水口幹記 東アジア世界の中の陰陽道――〈術数文化〉の視点から
マティアス・ハイエク 江戸時代の占書と陰陽道
高田義人 都状にみる死生観
鈴木耕太郎 陰陽道における牛頭天王信仰――暦注書『簠簋内伝』巻一の読解を中心に
【修験道を考える】
宮家準 修験道の歴史――民俗宗教の視点から
時枝務 考古学からみた修験道
徳永誓子 修験道の成立を考える
長谷川賢二 山伏集団の形成
鈴木正崇 修験道の明治維新――在地修験と修験本山の行方
【修験道研究の可能性】
久保康顕 「里修験」とは何か
安藤礼二 聖不動論
小川豊生 修験と胎生――中世天台教学との接点をもとめて
天田顕徳 現代修験道の素描――〈まつわるもの〉と〈そのもの〉の関係に注目して
大内典 験を生む声 修験道と声わざの系譜
【宗教史のなかの陰陽道・修験道】
林淳 修験道と陰陽道と神道
伊藤聡 中世神道説と修験道・陰陽道との関係
ファビオ・ランベッリ 山の彼方、大海へ――海の日本宗教史への航路
星優也 神楽・祭文と修験道・陰陽道――奥三河花祭から
【陰陽道・修験道から考える】
彌永信美 陰陽道と仏教/修験道と仏教――職能(専門)としてのenlarged Buddhism
小山聡子 中世前期の瘧病治療―病原は鬼か狐か
原田信男 陰陽道・修験道と食
岩田重則 天狗論――龍爪神社とさむはら
碧海寿広 役行者と近代仏教
木村朗子 鬼と学者と陰陽師