定価2,860円(本体2,600円)
発売日2021年3月26日
ISBN978-4-7917-7368-8
没後25年。こんな時代だからこそ、武満徹を聴こう。
人々に口ずさまれるうた、語られ書き記されたことば、楽器音と現実音が立体的に融合した映画音楽など、多くの側面で輝かしい仕事を残した武満徹の世界に迫り、独自の視点でひとりの天才の人物像を描き出す。
[目次]
1 いざない
ひびきあう音楽
没後一〇年、資料をみまわして
武満徹という「いとなみ」
武満徹 そのアプローチの複数性
武満徹のほうへ
武満徹を親しむ一週間
こぼれ、ひろって
2 うた
武満徹ソングブック
はな、うた、の
3 ことば
空白——音楽の房でいっぱいの 大岡信と音楽と
期待と憧憬の感情
谷川俊太郎——武満徹と
音・音楽を呼ぶことば
武満徹のショートショート
ことば・詩・声 断章として
4 メディア
武満徹を追う資料
武満徹と「MUSIC TODAY」
武満徹の未完「オペラ」
武満徹とミュージック・コンクレート
「ユリイカ」特集の
5 映像・音響
瀧口修造と作曲家
映画音楽へのアプローチ
コンサート用作品と映画音楽
アリスに寄りそう音楽
目と手と
6 作品
ソロとオーケストラによる三つの作品
《秋庭歌》への感謝
《秋庭歌》から/への旅
7 自然
自然と照らしあう音
水庭(へ)の、ため、ためし
息・多島=海
8 身体
東京バレエ団『雲のなごり』
イリ・キリアンと武満徹
お礼、と、あとがき、と
[著者]小沼純一(こぬま・じゅんいち)
1959年東京都生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専門は音楽文化論、音楽・文芸批評。第8回出光音楽賞(学術・研究部門)受賞。創作と批評を横断した活動を展開。近年の主な著書に『音楽に自然を聴く』『オーケストラ再入門』(以上、平凡社新書)、『本を弾く――来るべき音楽のための読書ノート』(東京大学出版会)、『映画に耳を――聴覚からはじめる新しい映画の話』(DU BOOKS)、『魅せられた身体――旅する音楽家コリン・マクフィーとその時代』(青土社)ほか。創作に『しっぽがない』(青土社)、『sotto』(七月堂)などがある。