定価1,980円(本体1,800円)
発売日2021年3月11日
ISBN978-4-7917-7363-3
わたしたちは物語の中しか生きられない。
マンガ、アニメ、ゲーム、音楽、動画配信サービス……わたしたちをとりかこむ多種多様なコンテンツを「物語」として読み解き、そのからくりを縦横無尽に解き明かす。現実のたしかさがゆらぎ、誰もが物語のなかを生きる時代を描出する、ジャンルレスかつ鮮やかな批評集。
[目次]
終わり/始まり 八匹目の終わりと始まり
Ⅰ 時間/空間 「物語」と経験
そしてメンテは続く
「現場」の「現在」
ペインキラーは要らない
年表を生きる者――永野護は何を表現しているのか?
日常系の世界を推理する――米澤穂信と歴史的遠近法のダイナミクス
Ⅱ 意味/記号 「物語」とからくり
世界を物語として生きるために
ポケットの中の(はてしない)図鑑
寓話とアニメーションの間で――映画『鉄コン筋クリート』はなぜ分かりやすいのか
「かわいい世界」は可能なのか
終わっている“萌え”の時代と、続く日常について
「-ism」の変節と平成の断面について
Ⅲ 接続/断絶 「物語」とコミュニケーション
対話の不成立、またはソニックブームが画面を越えること
宇多田ヒカルのカップヌードル――世界に到達する言葉
答えは人生を変えない
ボタンの原理とゲームの倫理
身体に悪い蒸気の文化
ぼくたちはいつかすべて忘れてしまう――『君の名は。』と『シン・ゴジラ』について
終わり/始まり 不機嫌な登場人物による解題
[著者] さやわか
1974年生まれ。物語評論家、マンガ原作者。『Quick Japan』(太田出版)、『ユリイカ』(青土社)などで執筆。「LINEマンガ」(LINEデジタルフロンティア)に連載の『キューティーミューティー』『永守くんが一途すぎて困る。』(作画・ふみふみこ)の原作を担当。著書に『僕たちのゲーム史』、『一〇年代文化論』(星海社新書)、『AKB商法とは何だったのか』(大洋図書)、『キャラの思考法』(青土社)など多数。近著は『名探偵コナンと平成』(コア新書)など。