定価1,870円(本体1,700円)
発売日2021年1月27日
ISBN978-4-7917-0397-5
映画『花束みたいな恋をした』1/29公開
坂元裕二の描く〈ドラマ〉は何を映しているのか。他者がたまさか交わってしまうこと、そのかけがえのない出会いがもたらすやすらぎと痛みのなかに満ちている感情を俳優の呼気とともに閉じ込めたそれを紐解いたとき、われわれにはどのような「いま」が見えてくるのだろう。『東京ラブストーリー』から『最高の離婚』『カルテット』『anone』、舞台『またここか』を経て、『花束みたいな恋をした』へ――これまでの、そしてこれからの坂元裕二を読みこむ特集号。
【目次】
特集*坂元裕二――『東京ラブストーリー』から『最高の離婚』『カルテット』『anone』、そして『花束みたいな恋をした』へ…脚本家という営為
❖リモートインタビュー
満島ひかりが聞く / 坂元裕二(聞き手=満島ひかり)
❖望遠レンズの万華鏡
二〇歳の頃の坂元さん / 山田良明
麻縄の椅子に本棚 / 豊原功補
ポルシェとアイドル / 浜崎貴司
坂元裕二との電話の後に書いた原稿 / ケラリーノ・サンドロヴィッチ
❖イラスト
別れた後5年のふたり / ウィスット・ポンニミット
❖インタビュー〈1〉
お互いが想像のなかで / 有村架純(聞き手・構成=金原由佳)
❖対談〈1〉
共鳴する共犯者――『花束みたいな恋をした』に寄せて / 坂元裕二×土井裕泰(司会・構成=上田智子)
❖暮らしというブーケ
可憐な花束を持って――再びスクリーンに舞い降りた坂元裕二 / 金原由佳
『花束みたいな恋をした』は現代の「東京(周辺)ラブストーリー」である。 / 西森路代
❖多元宇宙を生きる人びと
ホームにドラマが起きるとき――坂元裕二越しの〈東京〉 / 松山秀明
捨てられた子ども、裁かれる「母」――『万引き家族』から『Mother』を考える / 岡室美奈子
坂元裕二ドラマ『Woman』論――満島ひかりの手の演技 / 北村匡平
「連帯」と「孤立」のあいだで――『それでも、生きてゆく』の響子をめぐって / 小松原織香
❖インタビュー〈2〉
だから今回、僕は手紙を書けなかったのかもしれません / 永山瑛太(聞き手=編集部)
❖戦友たちからの手紙
あの頃の坂元さんも / 並木道子
親愛なる坂元裕二様 / 水田伸生
連ドラ『Mother』、『Woman』のことなど / 次屋尚
❖問題との歩き方
面倒くさい光生はしあわせになれるのだろうか? / 成馬零一
マスキュリニティとホモソーシャルにさよならを――『問題のあるレストラン』における被害と加害の連鎖 / 清田隆之(桃山商事)
❖シナリオ
水本さん・骨壷(犬の)・お願いがございまして / 坂元裕二
❖対談〈2〉
“人間を描く”作法 / 坂元裕二×飯塚悟志(東京03)(司会・構成=上田智子)
❖ドラマという宝物
どこかの街に / 村上健志(フルーツポンチ)
ともにこの夜を生き延びる / 長濱ねる
家の中について / 諭吉佳作/men
❖おしゃべりの四重奏
雑談のコメディ――『カルテット』論 / 太田省一
疑問符の聞き方――坂元裕二『カルテット』の音響設計をめぐって / 長門洋平
❖アンケート
わたしと坂元裕二 / 宮藤官九郎 阿部サダヲ 松たか子 YO-KING(真心ブラザーズ) 井上由美子
❖ゆるぎない結晶
恋愛ドラマ不毛といわれる時代に――『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』と現代の恋愛ドラマ / 宇佐美毅
脚本と演出の協働――『スイッチ』について / 篠儀直子
❖ロングブレス・ラブレター
遥か彼方に坂元裕二――ドラマ『スイッチ』の日々 / 中川慎子
アスリート・坂元裕二――リモートドラマ『Living』ができるまで / 訓覇圭
❖坂元先生の肖像
端っこの出会い / 兵藤るり
ぼくと坂元さん / 清水俊平
❖プリズムは回りつづける
イロトリドリ ノ ドラマ――ゼロ年代の坂元裕二 / 岩根彰子
坂元裕二の演劇的言語――“繰り返し”に対峙する物語の力~『またここか』より~ / 河野桃子
❖資料
坂元裕二主要作品解題 / 木俣冬
■連載
私の平成史12 / 中村稔
■物語を食べる*新連載
胃の腑と詩と官能のあいだ / 赤坂憲雄
■詩
玻璃鏡 / 森山恵
■今月の作品
故永しほる・澁澤 赤・林 やは・鳥居橋萬福・吉岡幸一 / 選=和合亮一
■われ発見せり
観者に委ねる / 石原葉
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