ユリイカ2021年1月号 特集=ぬいぐるみの世界

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ユリイカ2021年1月号 特集=ぬいぐるみの世界

定価1,760円(本体1,600円)

発売日2020年12月26日

ISBN978-4-7917-0396-8

なぜ人はぬいぐるみを愛するのか
大人も子どもも、大切なぬいぐるみがそばにいてくれることで、すこし生きやすくなることがある。ぬいぐるみを主役に写真撮影をする「ぬい撮り」のブームや、推しの「ぬい」を所持するファン文化など、近年ますます細分化し盛り上がりをみせているぬいぐるみの世界。コロナ禍の現在では、無観客試合やリモート講義の場において座席をあたためるぬいぐるみの姿が話題になることも多い。家族や友人のようにかけがえなく、三者三様に特別なぬいぐるみ——その静かな佇まいを、いま見つめ返す。

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【目次】
 

特集*ぬいぐるみの世界
 

❖インタビュー〈1〉
素子とぬいの悲喜こもごも / 新井素子 聞き手=菊地浩平

❖ぬいぐるみとわたし
ぬいぐるみと共に戦い抜く / 大童澄瞳
ぬいぐるみといると消えていられる / 大前粟生
ぬいぐるみのこと / 少年アヤ
ほわほわプラトニック / 水沢なお

❖そしてぬいぐるみへ
新ぬいぐるみ学序説——人形参観、マスク地蔵、生きてるみ / 菊地浩平
テディベアの歴史と現在——なぜぬいぐるみといえばくまなのか / 永井理恵子

❖ぬいぐるみと/の創作
スヌーの声 / いしいしんじ
ぬいぐるみ詩 / 最果タヒ
ピーターの記憶 / 穂村 弘
それからはとこしえの日々 / 初谷むい
分身の理由 / つばな
セッちゃんとくま / 大島智子

❖インタビュー〈2〉
ぬいぐるみ世界を演出する——将棋の渡辺くんかく語りき / 渡辺 明 聞き手=編集部

❖ぬいぐるみの声を聞く
霊獣とあたらしいカミとくらす——同伴者としての似姿とぬいぐるみ / 中西恭子
受肉せざるもの——ぬいぐるみの現象学 / 佐々木雄大
ぬいぐるみと人形の〈あいだ〉——「ひとりかくれんぼ」を手がかりに / 橋迫瑞穂
ぬいぐるみとの対話——アニミズム、身体の内と外から / 奥野克巳

❖わたし(たち)だけの知る日々
ぬいぐるみ病院のこと / 堀口こみち
きせかえプハ〜 / ヌトグラン
体温のないふわふわ / カシワイ

❖心のありか
老女と人形——現代における迷信と科学 / 小泉義之
勝手に人格を与えるな、シルエットを閉じ込めろ——ぬいぐるみをめぐる知覚の問題 / 木下知威
Journey to Anima / 髙山花子

❖ぬいぐるみを作ること
ぎっしり詰まった縫い包み / 今井昌代
愛しいぬいぐるみ / ヒグチユウコ
自分と共に進化する物 / ミヤタケイコ
キャラクターをぬいぐるみ化するという仕事 / せこなお
ぬいぐるみとワタシ /コンドウアキ

❖インタビュー〈3〉
にんぎょう世界のぬいチューバー / いぬわんたん+ぴんくのぶた 聞き手=編集部

❖生活と思考
ぬいぐるみの能力と共に生活する / 片岡メリヤス
工具のぬいぐるみを作る / 齋藤雄介

❖ぬいぐるみはどこにいる?
ぬいぐるみの存在論と様式論 / 小澤京子
君はともだち?——芸術家と歩む“彼ら”についての断章 / 吉野俊太郎
ロボットとぬいぐるみの距離感から考える人と物の関係性 / 西條玲奈
ぬいぐるみとジェンダー / 山崎明子

❖ぬいぐるみの表象
子どもはなぜクマが好きなのか / 寺村摩耶子
ともだちになるぬいぐるみ、ぬいぐるみになるともだち——キッズアニメに生きる空想のエッセンス / 泉 信行
祈りのウサギ——『MIU404』第四話の編みぐるみ / 西原志保
ぼくらがぬいぐるみを装備して街にでる理由 / 犬山秋彦
ぬい撮り写真の目 / 松 房子


❖特別掲載
『加藤楸邨全句集』「拾遺」の秀句と校注をめぐって / 中村 稔

❖詩
月の光——ドビュッシーに寄せる / 中村 稔

❖ユリイカの新人
Got Lost 他二篇 / 千種創一 

❖われ発見せり
不慣れさを慈しむこと / 久保田 翠


表紙イラストレーション cover illustration = 植田たてり