ユリイカ2021年1月臨時増刊号 総特集=戸田ツトム

-1951-2020-

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ユリイカ2021年1月臨時増刊号 総特集=戸田ツトム

定価3,080円(本体2,800円)

発売日2020年12月21日

ISBN978-4-7917-0395-1

「D-ZONE」の過去・現在・未来
戸田ツトムの装幀を手にすることは歓びであり、「たのしい知識」に導く書物の薫香であった。戸田ツトムの仕事とはなんだったのか。工作舎に始まり、天井桟敷を経て、人文書の一時代を作りながら、週刊誌を手がけ、DTPの黎明期に帆走したそのデザインはどこに行き着いたのか、『D-ZONE』のあとに、追悼特集。

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【目次】
 

総特集◎戸田ツトム――1951-2020
 

カラー口絵
Tztom Toda Chronicle 1

メモワール
世界に静かに向き合う者 / 池澤夏樹
戸田ツトムさんの方法 / 島田荘司
才能を目撃してしまった。 / 山口信博
戸田さんと再々会を果たせなかった。 / 芦澤泰偉
時の行方 / 田中未知

インタビュー
虚を見る / 赤崎正一 聞き手=鈴木一誌

グラフィックデザイナー・戸田ツトム
「朽ちていく」ためのマンネリズム / 松田行正
物質的恍惚デザイン――戸田ツトム一九八〇年代エディトリアルワークを中心に / 伊藤俊治
戸田ツトムと初期DTPの時代 / 喜多千草
本の自然幾何学 / 佐々木正人

ロストインタビュー
時代の交換期という最中の断面(全) / 戸田ツトム 聞き手=ばるぼら

始まりの時代
犀の人 / 大西成明
グラムズファクトリーの「出来事」 / 小柳敦子
泥になる / 新井敏記
外苑前のトダ・トウキョウ・オフィスと僕の修業時代 / 長澤均

エディトリアル・コンステレーション
戸田ツトムと杉浦康平――『全宇宙誌』をめぐる軌道の交差 / 阿部卓也
潜在するダイアグラム――戸田ツトムの「物質の階梯」 / 古賀稔章
ポエジア・グラフィカ / 金澤一志
ノイズと平仮名――〈陰影〉のゆくえ / 古賀弘幸

図版構成
Tztom Toda Chronicle 2

擬場のデザイナー
“間"のデザイン / 岡孝治
理性と身体の間(はざま)から / 白井敬尚
戸田ツトムと「コミックペーパー」 / 西野嘉章
演劇そのものだった挑発し続けるポスター / 笹目浩之

〈庭園都市〉の彼方に
戸田ツトムという「壁」 / 丹生谷貴志
バーバラとツトム、とヒロシ / 高山宏
歴史の変化を引き起こした「縦に対する横の叛逆」――戸田ツトムの新聞刷新 / 前田年昭
「観測者」としての戸田ツトム――デザインはいかにしてメディア論の問題となるのか / 加島卓

鼎談
デザインの種子と循環 / 川名潤 水戸部功 長田年伸

電子図像誌に向かって
戸田さんと仕事をした四年間――アップルの幻のデスクトップを制作した日々への追憶 / 山中俊治
透明な紙、白い紙、それらの影 / 秋山伸
戸田ツトムさんとの出会い / 藤田重信
戸田ツトム氏とNTT / 国枝学

プロットに触れる――デジタルという界面
線を引くことから陰影へ――ピクセル・ノイズ・ハーフトーン / 久保田晃弘
液晶状のインターフェイスが生み出すあらたな視触覚 / 水野勝仁
複数化し変容し続ける減衰する主体 / 榮元正博
マイクロレイヤーズ――戸田ツトムとタルコフスキー / 荒川徹

インタビュー再録
デザインと予感 / 戸田ツトム 聞き手=平倉圭

メンターとともに
未だ視ぬ「天使論」へ! / 寺門孝之
戸田ツトムさんはすべてがデザインだった / 小柳学
「欲望を持て」――君はそのデザインで世界をどうしたいんだ? / コバヤシタケシ
戸田ツトムについて / 佐野裕哉

図鑑としての書物=デザイン
夕まずめの眺め――『断層図鑑』と『庭園都市』 / 鯖江秀樹
目で触れる――戸田ツトムと書籍カバーについて / 橋本一径
線の倫理のために――河出文庫における戸田ツトム / 澤直哉
すべてはそこから始まったはずなのだ、とさえ思える鮮烈な光景の記憶、何が鮮烈なのかさえ不確かなのだが…… / 山本浩貴(いぬのせなか座)

Tztom toda 1951-2020
仮借なく自己更新を究め続けた真正の先鋒――源泉となった工作舎時代とそれからの道筋と / 臼田捷治

装幀=今垣知沙子