羊の人類史

サリー・クルサード 著,森夏樹 訳

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羊の人類史

定価2,640円(本体2,400円)

発売日2020年11月21日

ISBN978-4-7917-7331-2

羊と人びとが織りなす1万年以上にわたる壮大な歴史タペストリー
そのすがたからは想像ができないほど劇的に、羊は人類の生活や文化を根本から変えてきた。羊毛でつくられた帆と衣服があったからバイキングは壮大な旅をすることができたし、ペスト菌は羊毛貿易によってヨーロッパ中にひろがった。ある羊毛商人はイギリス王エドワード三世に100億円以上を貸して貴族になり、産業革命がもたらした大規模なウール加工工場ではおそるべき数の子どもたちが過酷な労働をしていた。驚きと発見にみちた歴史ノンフィクション。

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[目次]

1 羊をじっとさせておく方法
キツネといっしょに埋葬された男、人間の母乳で育てられた子羊、古代の尿の秘密

2 羊毛の鱗の秘密
いつしか凍結した二四〇〇歳の女性、ローマ兵士の不燃性下着と胴着

3 なぜルーイングされる羊がいるのか?
ハサミの発明、ミイラの入れ墨、逃亡する雄羊

4 とても硬い羊の肉
乳糖不耐性、チーズ職人のキュプロクス、二つの頭を持つ羊

5 押韻詩とおかしな治療法
バンフィット、黒い羊、まちがった星座

6 ミスター&ミセス・ボー・ピープ
羊飼いが望んだのは、鼓膜症から癒えた羊と破損した睾丸という神の恵み

7 犬とドローヴァー
コーギー犬と黒羊銀行

8 原毛の精錬と糸紡ぎ
妖精、羊毛の獣脂、特上のソフト・トイレットペーパー

9 勝利のためのニット
世界最古の靴下、仕事場、ウールは戦争の勝利にどんな貢献をしたか

10 「羊がすべての経費をまかなってくれた」
羊毛教会、白い修道士、フクロウのモノマネの罪

11 羊が人々をむさぼり食う
幽霊船、ポーチの中のチーズ、「この土地から去れ」

12 糸を紡ぐ
漁師のジャンパー〔セーター〕、タイツ姿の男性、有名な処刑

13 毛織物工場とブーム
白人奴隷、羊毛で内張りした棺、羊毛選別者病

14 アップ・アップ・アンド・アウェイ
羊の科学、セックス、空に昇った羊
 

原注
訳者あとがき
索引

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[著者]サリー・クルサード(Sally Coulthard)
イギリスの作家。デザイナー。オックスフォード大学で考古学と人類学を学ぶ。その後20年間を、家や工芸品、屋外スペースの設計・製作そして執筆に費す。すぐれたデザインをアクセシブルなものにするために、家の修復、インテリアのデザイン、アウトドアリビングに関する本を多数書いた。ベストセラーに『The Little Book of Building Fires』『The Little Book of Snow』『The Hedgehog Handbook』『The Bee Bible』などがある。

[訳者]森夏樹(もり・なつき)
翻訳家。訳書にJ・ターク『縄文人は太平洋を渡ったか』、S・C・グウィン『史上最強のインディアン コマンチ族の興亡』、M・アダムス『マチュピチュ探検記』『アトランティスへの旅』『アラスカ探検記』、S・ミズン『渇きの考古学』、M・ブラウディング『古地図に憑かれた男』、R・カーソン『海賊船ハンター』、W・カールセン『マヤ探検記』、D・C・テイラー『イエティ 雪男伝説を歩き明かす』、S・ジェンキンス『ヨーロッパ全史』(以上、青土社)、A・M・ルロワ『アリストテレス 生物学の創造』(みすず書房)、Ph・ジャカン『アメリカ・インディアン』(創元社)ほか。