オブジェの店

-瀧口修造とイノセンス-

寺村摩耶子 著

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オブジェの店

定価2,640円(本体2,400円)

発売日2020年12月10日

ISBN978-4-7917-7323-7

無用、無益、無意味、無価値の魅力
オブジェとは、モノ、目の前にある物体をいう。予期せぬ出会いの如く唐突に出現し、人をさんざん当惑するオブジェ――。謎・不可思議・驚異・不可解の渦に巻き込むオブジェの出現を、美術・文学・絵本などに探求する。本邦初の本格的オブジェ論。

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[目次]

はじめに


オブジェの店 瀧口修造とイノセンス

1 オブジェの店
オブジェ卵 井上洋介
タルホの鞄
遠い部屋/手のひらの夢/SCOPEの驚きのために 桑原弘明
白いユーモア 勝本みつる
HISASHIの思い出
私は家に帰らない 大月雄二郎
カレル・ゼマンの錬金術
愛のオブジェ
スバルの夜に 山田勇男
未来派の帽子 モン・シャポー作品集
箱の中のアリス 建石修志
幻の靴を求めて 須賀敦子
オブジェの美学 稲垣足穂『ヴァニラとマニラ』
さかさまの世界 佐々木マキ

2 オブジェの店  手/紙/コラージュ
コーネルの手紙
ムナーリの「読めない本」と「読める本」
堀内誠一のアエログラム
手紙からはじまる 『みなとまちから』+『とおいまちのこと』
にぎやかな闇 『くろはおうさま』
サラ・ファネリのコラージュ絵本 メキシコ生まれの点字絵本『くろはおうさま』
インド・タラブックスの絵本

3 場所とオブジェ
砂丘のサーカス  新潟島・加藤啓展
縄文の音  沢田としき没後十年に
〈みちのおく〉からの贈りもの 『山のヨーナ』
灯台のごとく 『ドームがたり』
よるのむこうに 『たいようのふね』
鳥の巣のミクロコスモス 鈴木まもる
光合成する世界 谷川晃一

4 天使・怪物・子ども
『ぼくからみると』 高木仁三郎/片山健
『がいこつさん』 五味太郎
『チョコレートパン』長新太
むひとつの時間への旅『やまのかいしゃ』復刊に
闇を見つめ続けた巨人 『ホウホウフクロウ』井上洋介
「驚異と怪異――想像界の生きものたち」展
少女はめぐる 宇野亞喜良『定本 薔薇の記憶』
彼は誰であるのか?
人形が動くとき 大畑いくの
野生の天使 アーシュラ・K・ル=グィンの絵本
ムーミンはまるい
夢の坑夫 ミヒャエル・エンデの世界
動物の言葉 写真絵本の魔法
子ども部屋のクマ
インドラの網

エピローグ

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[著者]寺村摩耶子(てらむら・まやこ)
1965年大阪生まれ。明治学院大学文学部フランス文学科でシュルレアリスムをまなぶ。著書に『タルホ空中飛行器』、『絵本の子どもたち』、『絵本の子どもたち』など。小句集に『あるかな十七』(リーフレット)。訳書に『恋愛 L’amour』(アンドレ・ブルトン、ポール・エリュアール詩、宇野亞喜良画)など。