現代思想2020年11月臨時増刊号 総特集=鈴木大拙

-生誕一五〇年 禅からZenへ-

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現代思想2020年11月臨時増刊号 総特集=鈴木大拙

定価2,420円(本体2,200円)

発売日2020年10月13日

ISBN978-4-7917-1405-6

生誕一五〇年、知られざる大拙へ
今年西田幾多郎と鈴木大拙はともに生誕150年を迎える。しかしいま脚光を浴びつつあるのは大拙のほうだ。西田に関しては多くが語られてきた。それに反して私たちはいまだに大拙が何者か知らずにいる。西田と並び称されることで見えなくなりがちな諸側面が大拙思想にはある。本特集は最新の研究成果を結集し、その知られざる大拙の姿に迫る。

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【今、なぜ大拙か】
いま大拙を読み直すために / 安藤礼二
鈴木大拙の禅思想再考 / 蓮沼直應
大拙の両面――思想的深化と世界への発信 / 末木文美士
「世界」 における「自由」――鈴木大拙と西田幾多郎に注目して / 水野友晴

【討議】
知られざる鈴木大拙――エッセイスト・ジャーナリスト・エディター / 安藤礼二+福嶋亮大

【アジアの中で】
神に先立つ道――鈴木大拙と『老子』 / 中島隆博
大拙の禅思想史研究 / 小川 隆
ベトナムにおける鈴木大拙の受容――鈴木大拙とファム・コン・ティエン / 野平宗弘

【インタビュー】
声の残響 金沢にて / 木村宣彰

【大拙先生を語り継ぐ】
鈴木大拙先生との出会い / 千 玄室
大拙翁と華厳思想 / 玄侑宗久
「エマーソンの禅学論」をめぐる私的雑感――エマソンと大拙とスナイダーと / 重松宗育
二人 の「鈴木」――鈴木大拙と鈴木俊隆の Zen・試論 / 藤田一照

【家庭人として】
ビアトリスと大拙の選択 / 守屋友江
父としての大拙 / 山田奨治

【明治・大正・昭和という時代】
仏教ジャーナリスト大拙 / 碧海寿広
学問・経験・スウェーデンボルグ  / 吉永進一
天皇制国家の中の科学と宗教――調和と相克の軌跡 / 岡本拓司
『日本的霊性』 をひらく――スピリチュアリティ関連思想との類似性から / 堀江宗正

【芸術と文化】
柳宗悦と鈴木大拙の分水嶺――物に即して考える  / 佐藤 光
芸術と生活をつなぐ――ケージ、フルクサス、Zen / 柿沼敏江
能楽師として読む大拙と能 / 安田 登
大拙とフロムは、芭蕉・テニスン・ゲーテの詩に何を見るのか / 大熊 玄
ヴェイユに息づく大拙――「東洋的なもの」 と ポエジィ / 今村純子

【大拙の思想的遺産】
鈴木大拙――「即非の論理」の残りのもの  / 斎藤 環
不可得の論理 アナロジーか即非か――鈴木大拙と南方熊楠の往復書簡 / 松田 毅
人間と実在――ポスト・ヒューマンへの東洋的な見方 / 浅沼光樹
機心とインタラクション / 松井哲也

【翻訳】
エリート禅から大衆的禅へ――日本と西洋におけるテクストと実践の読解 / ヨーン・ボルプ(訳・解題=佐藤清子)

【主要著作ガイド】
未知なる大拙と出会う / 安藤礼二

【付録】
鈴木大拙略年譜 / 鈴木大拙館