定価2,860円(本体2,600円)
発売日2020年9月25日
ISBN978-4-7917-7254-4
百花繚乱の驚異、ここから始まる。
絵もなければ、会話もない。そんな本はいったい何になるの? アリスの素朴な疑問が、退屈と倦怠にまみれるヴィクトリア朝社会を、〈驚異〉弾ける魔術の帝国へと変貌させる――。綺想に彩られた「アリス」物語の破天荒の可能性を、大胆華麗に切り拓く――。
[目次]
第1部
アリスに驚け
第2部
*
メルヴィル・メルヴェイユ 柴田元幸讃
意外にして偉大な学恩 沼野充義讃
ボルヘスと私、と野谷先生
**
一九二六年のトランク 『ファンタスティック・ビースト』と『ハリー・ポッター』
「このわたしは人間の内部に」 一九二〇年代に起きたこと
ExtraEditiorial E・A・ポーのメディア詩学
平賀張り、英訳すればSwiftly 個人完訳『ガリヴァー旅行記』解題
遊行する機械 やなぎみわのステージトレーリング計画
***
マニエリスム、または「揉め事の嵐」 橋本治 青空人生相談について
「古くさいぞ私は」で始まると、マニエリスムになる 坪内祐三氏追善
ひろしは あなをキャッツアイ 和田誠画伯追悼
キャッツアイ 美猫「海ちゃん」追善
エピローグ
ヴンダーシュランクに書店の未来
跋 高山宏を誤[護]読(misreading)する 後藤護
[著者]高山 宏(たかやま・ひろし)
1947年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在は、大妻女子大学副学長。著書に、『アリス狩り』シリーズ、『見て、読んで、書いて、死ぬ』、『近代文化史入門』、『アレハンドリア』(『アリス狩りⅴ』)、『トランスレーティド』ほか多数。訳書に、ウィルフォード『道化と笏杖』、E・シューエル『ノンセンスの領域』、『オルフェウスの声』、M・プラーツ『ムネモシュネ』、R・L・コリー『パラドクシア・エピデミカ』ほか多数。