定価1,760円(本体1,600円)
発売日2020年9月19日
ISBN978-4-7917-7301-5
犬とのさり気ない日常を超えた無音の和音が聞こえてくる。――谷川俊太郎
気がつけば、犬の存在そのものが心の一部になっている。――鶴田真由
変わりゆくもの、簡単には変わらないもの。ぼくと妹の紗枝、そして犬の「マル」たちをめぐる、家族と記憶の物語。
森泉岳土・絵
[目次]
スピッツ
三河犬
短命
結婚
上海の犬
野性
何代目
猫
わたしの犬
お墓
鳴き声の記憶
紗枝とマル
ドッグフード
抱擁
しっぽ
レトリーバー
死ぬからね
散歩
景色
マルの視線
ぼくたちのかつて
アメリカ軍
攻撃
雨
タクシー
犬小屋
傘とビニール袋とリード
にくしみ
父
あっというまに
たちすくむ
告白
マルの、マルたちの
あとがき
[著者]小沼純一 (こぬま・じゅんいち)
1959年東京都生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専門は音楽文化論、音楽・文芸批評。第8回出光音楽賞(学術・研究部門)受賞。創作と批評を横断した活動を展開。近年の主な著書に『音楽に自然を聴く』『オーケストラ再入門』(以上、平凡社新書)、『本を弾く――来るべき音楽のための読書ノート』(東京大学出版会)、『映画に耳を――聴覚からはじめる新しい映画の話』(DU BOOKS)、『魅せられた身体――旅する音楽家コリン・マクフィーとその時代』(青土社)ほか。創作に『sotto』(七月堂)などがある。
[絵]森泉岳土 (もりいずみ・たけひと)
1975年東京都生まれ。マンガ家。墨を使った独自の技法で数多くのマンガ、イラストレーションを発表している。自身原作に『爪のようなもの・最後のフェリー その他の短篇』(小学館)、『セリー』『報いは報い、罰は罰(上・下)』(以上、KADOKAWA)など、文学作品のマンガ化に『村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」』『カフカの「城」他三篇』(以上、河出書房新社)などがある。