こどもの目をおとなの目に重ねて

中村桂子 著

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こどもの目をおとなの目に重ねて

定価1,980円(本体1,800円)

発売日2020年8月25日

ISBN978-4-7917-7304-6

「人間は生きものである」ことをすっかり忘れているのでは?
競争第一で発展に突き進み、息づまる社会をやわらかな感性で問い返す。

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[目次]

はじめに

こどもの視線でのぞいてみれば
生活の中での子どもをよく見て、子どもの言葉を聞く――加古里子さんと生命誌の出会い
万年おじいさんとの愉快な時間
菜の葉にとまれ
小学校農業科のすばらしさ
農業への危機感と希望と
ここにある学びの原点
加速するビル高層化
「少子高齢」社会

永遠の自由研究者たち
地方に暮らすお茶目でふつうの主婦
熊楠に学ぶ重ね描き
内発的発展論と生命誌――鶴見和子と南方熊楠
デクノボーの叡知
他にはない科学との接点

生きものたちとひざをあわせて
生き物の挑戦は空へ向けて
「人新世」を見届ける人はいるのか
新大統領にも注文を
今ここを充実して生きる
忘れられた?教訓
地球に生きる生きものとしての人間を考える

発展を問い直す
科学研究のありよう
ムヒカ流生き方
豊かさの中の貧困
「一億総活躍」に疑問
「女性が輝く日本」とは
人間は生き物である
“よりよく生きる”には
本当の「グローバル」

平和への祈り
わからない……軍事への傾倒
外からの眼で日本を見直す
日本の誇り崩すリーダーたち
リーダーに不可欠なもの
「戦後七十年」が問うもの
パグウォッシュ会議
武力を捨て庭園をつくる
言葉の重みを考える
カントが語る「永遠平和」

おわりに

初出一覧

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[著者]中村桂子(なかむら・けいこ)

1936年生まれ。東京大学理学部化学科卒業、同大学院生物化学修了。理学博士。三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長、早稲田大学人間科学部教授、大阪大学連携大学院教授などを歴任。多様な生物に受け継がれている生命の歴史を読み取る「生命誌」を提唱、1993年にJT生命誌研究館を設立し、副館長に就任、2002年から館長を務め、現在、名誉館長。著書に『小さき生きものたちの国で』、『生命の灯となる49冊の本』(青土社)、『いのち愛づる生命誌』(藤原書店)他多数。2007年に大阪文化賞、2013年にアカデミア賞を受賞。