定価2,200円(本体2,000円)
発売日2020年7月20日
ISBN978-4-7917-7288-9
キャラクターはもはや虚構の存在ではない
『きのう何食べた?』『寄生獣』『課長島耕作』から、ミュージカル『テニスの王子様』『仮面ライダー電王』『ヒプノシスマイク』まで……次元と世界をつなぐ、キャラクター論の新地平。
装画:服部昇大
[目次]
Ⅰ マンガのなかの「人間」たち
序論 キャラクターを享受すること
1 キャラクターと囲む食卓――グルメマンガの実用性とリアリティ
2 〈まなざし〉の行方――『雨無村役場産業課兼観光係』試論
3 「世界」の描き分け、キャラクターの対話――描画スタイルの併用について
4 “ぽっちゃりヒロイン”は伊達じゃない――『BUYUDEN』にみる『少年サンデー』スポーツマンガの系譜
5 動かずに立つキャラクター――「死に様」から読む『島耕作』入門
6 岩明均の輪郭、線――パラサイトからマンガ的人間へ
Ⅱ 「リアル」に乗り出すキャラクターたち
7 誰が「変身」しているのか?――「特異点」としての『仮面ライダー電王』
8 2次元と2・5次元の『テニスの王子様』――キャラクターの成長、キャラクターへの成長
9 「マンガの実写化」と「マンガから生まれた映画」――マンガ原作映画についての覚え書き
10 マンガと2・5次元――『弱虫ペダル』におけるキャラクター生成のメカニズム
11 「リアル」になる――キャラクターとしてのラッパー
12 キャラクターはどこにいる――『ヒプマイ』そして「解釈違い」
ブックガイド 「マンガ論の現在」のこれまでとこれから
あとがき
初出一覧
[著者]岩下朋世(いわした・ほうせい)
1978年、鹿児島県生まれ。専門はマンガ研究・メディア論。東北大学大学院情報科学研究科博士課程修了。現在、相模女子大学学芸学部メディア情報学科教授。単著に『少女マンガの表現機構――ひらかれたマンガ表現史と「手塚治虫」』(NTT出版、2013年)、共著に『マンガ研究13講』(水声社、2016年)『マンガ視覚文化論』(水声社、2017年)など。