定価3,960円(本体3,600円)
発売日2020年5月26日
ISBN978-4-7917-7279-7
愛と生命の寓意
一輪の薔薇に封印されたイメージが、個人を時代を、そして洋の東西を超えて人類に共有される。愛と生命の寓意・象徴として咲き誇る薔薇の花園で紡がれた、全く意想外の精神史。若桑イコノロジーの画期的出発点。芸術選奨文部大臣賞受賞。
[目次]
Ⅰ 薔薇の聖母
Ⅱ 薔薇を食べた驢馬
Ⅲ レオナルドの庭園
Ⅳ 薔薇園にて
Ⅴ 美しき女庭師
Ⅵ 花の道
Ⅶ 菊と蓮
Ⅷ グロテスクの系譜一 周辺の豊饒
Ⅸ グロテスクの系譜二 笑う牛
Ⅹ グロテスクの系譜三 花となった人間
Ⅺ 花と髑髏 静物画のシンボリズム
Ⅻ 刻印された〈詩〉
ⅩⅢ 石の花 反古典主義的空間の根源
ⅩⅣ 花の復権 ウィリアム・モリスのパターン・デザイン
終章 生きている花 残らない芸術のために
注
あとがき
[著者]若桑みどり(わかくわ・みどり)
1935-2007年。専門は、西洋美術史、表象文化史、ジェンダー文化論。主な著書:『寓意と象徴の女性像』(サントリー学芸賞)、『薔薇のイコノロジー』(芸術選奨文部大臣賞)、『戦争が作る女性像』、『皇后の肖像』、『クアトロ・ラガッツィ』(大佛次郎賞)ほか。